どうせレプリカのロケット…え、NASAの本物!? 世界が注目の博物館 北陸に“宇宙の歴史”を集結させるまで

名誉館長はアノ有名UFO研究家に依頼

 高野さんは、ロシアの宇宙船が喉から手が出るほど欲しかったそうですが、値上げ交渉には応じず「その金額ならいらない。ロシアに持って帰ってくれ」とこれを拒否します。その瞬間、相手のロシア人は殺意を込めた怒りの目つきで高野さんを睨み付けたとか。これには、高野さん自身も「殺されるかと思いました」と語るほど恐怖を感じたと話してくれました。

 しかし、ロシア側もわざわざアメリカまで運んできた宇宙船を持って帰ることもできないため、翌日には約束の金額で引き渡してくれたそうです。

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コスモアイル羽咋をプロデュースした高野誠鮮氏(布留川 司撮影)。

 こうした、アメリカとロシア、2大国を相手にした交渉と大立ち回りによって、コスモアイル羽咋には人類の宇宙開発における本物の展示品を揃えることができました。これら充実した展示内容によって多くの人々が今もこの博物館を訪れています。開業から30年近く経った現在でも、年間来場者数は約5万人を記録しているといいます。

 ただ、高野さんは展示物の充実だけではなく、町おこしに合わせてUFOや宇宙人に関するものの展示を行うなど、来館者を飽きさせない工夫にも知恵を絞っています。名誉館長には、UFO番組のプロデューサーとして有名な矢追純一氏を迎え、宇宙人「サンダーくん」というご当地キャラまで用意。彼らとともに各種講演会やトークショーなどのイベントを不定期で開催することで、常に博物館の鮮度が落ちないよう尽力しています。

 実際、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)も初めて訪れましたが、その充実ぶりに驚いたほど。さまざまな形で宇宙に興味を抱く人々に注目される施設として、今後も活動を続けていくようです。

【了】

【殺されるかと思った!】これがロシア人に吹っ掛けられた「幻の」ソ連製宇宙船です(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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