予算削減だけが理由じゃない? 爆撃機B-52唯一の自衛兵器「尾部の機銃」が消えたワケ 因縁の事件とは

アメリカ空軍のB-52戦略爆撃機から尾部機銃がなくなったのは、脅威がミサイルになったことや予算削減の影響だとか。しかし、実はその直前に起きた湾岸戦争で同士討ちをしたことも影響したそうです。

危なかった! 味方からの誤射

 こうした事情を踏まえて、B-52G型からはレーダー照準装置を一新し、銃手席をコックピットへ移設しました。これにより銃手にも射出座席が用意され、かつ隣に座る電子戦士官と緊密に連携して任務を遂行できるようになりました。

 ベトナム戦争では、B-52Gが尾部機銃を使ってMiG-21を2機撃墜する戦果を挙げています。こういった実績もあって、およそ半世紀にわたり維持されてきた尾部機銃でしたが、湾岸戦争が終わると突如廃止が決定されます。

 アメリカ空軍はその理由として、爆撃機の脅威がミサイル中心に変化したこと、そして予算削減の圧力があったとしています。なお、この機銃廃止を発表した当時の戦略空軍司令官バトラー将軍も、難しい決断であったと述べたほどです。

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B-17爆撃機(手前)と編隊飛行するB-52爆撃機(画像:アメリカ空軍)。

 ただ、この決定に至るまでには前述の理由以外にもある出来事が影響を及ぼしたと言われています。それは、湾岸戦争中に起きたワイルドウィーゼル機F-4Gのミサイル誤射でした。

 ワイルドウィーゼル機は、自軍の攻撃機部隊の脅威となる敵のレーダーサイトと地対空ミサイル陣地を破壊することを主任務としています。その戦法は敵のレーダーサイトが発する電波の方向にめがけて飛んで行くAGM-88対レーダーミサイルを発射して破壊することです。このとき用いられるミサイルは「High-speed Anti-Radiation Missile」を略して「HARM(ハ―ム)」とも呼ばれています。

 

 イラク上空を飛行していたF-4Gワイルドウィーゼルの1機が、B-52の火器管制装置から発せられるレーダー波を、敵のレーダーサイトからの電波と誤認し、AGM-88ミサイルを発射してしまったのです。

【一人で敵機と対峙…】孤独な尾部銃座の操作席の様子(写真)

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