時代は「無人機空母」へ? 加速する艦載型無人機の開発競争 「いずも型にいいですよ!」売り込みも
あのメーカーが黙ってみているはずがない!
イギリス海軍はモハベの空母発着艦試験について「ヨーロッパの海軍の空母としては初」と述べています。
アメリカ海軍とGA-ASIは発表していませんが、イギリス海軍がわざわざ「ヨーロッパの海軍の空母としては初」と述べているのは、アメリカ海軍の空母か強襲揚陸艦を使用してモハベの発着艦試験が行われていたことを意味すると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
前に述べたようにモハベは技術実証機という位置づけですが、GA-ASIは2022年5月に同社のUASであるMQ-9BにSTOL性能を与えるためのアップグレードキットを開発していることを明らかにしています。
MQ-9Bは離着陸時に3500フィート(約1067m)の滑走を必要としますが、GA-ASIはアップグレードキットを使用して主翼と尾翼を交換することにより、数時間の作業で離着陸に必要な滑走距離を1000フィート(約304.8m)以下に短縮できると述べています。
アップグレードキットはアメリカ空軍などが運用しているMQ-9B「リーパー」のほか、MQ-9Bの派生型でイギリス空軍が導入した「プロテクターRG マーク1」や海上保安庁に導入された「シーガーディアン」、ヨーロッパの飛行規制に対応し、UASと有人航空機の空域共有を目指した改良型の「スカイガーディアン」などに使用できると、GA-ASIは説明しています。
こうした動きに対し、「誰が最初に(艦載固定翼UASの)艦艇での発着艦を行うのかを、見てみようではないか」と発言したのが、トルコのバイカル・テクノロジーズのセルチュク・バイラクタルCTOです。GA-ASIがMQ-9B用アップグレードキットを発表した2022年5月のことでした。
GA-ASIへの対抗心を露にした同社は、空母や強襲揚陸艦で運用するUAS「バイラクタルTB3」の開発を進めており、同機は2023年10月20日に初飛行しています。
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