アメリカの虎の子?「ヴァージニア級原潜」が世界の抑止力のカギになる理由 就役もう21隻目
アメリカが数十年先まで見据えて建造に力を入れるヴァージニア級原子力潜水艦。オーストラリアに輸出も決まった同艦は、「アメリカの虎の子」だけにとどまらず世界の軍事バランスにとって重要な存在になるかもしれません。
史上初めてとなる原子力潜水艦の輸出
冒頭に記したように、ヴァージニア級はオーストラリアに売却されることが今年(2023年)3月に発表されました。これはAUKUS(豪英米三国軍事同盟)が行う安全保障の一環です。同盟国相手とはいえ、アメリカが原潜を輸出するのはこれが史上初めてのことになります。
発表時の報道では、売却する数は3隻で、それらに加えて2隻が追加発注できる契約内容でした。その後、11月17日の海外ニュースではさらに具体的な内容が明らかになり、建造中のブロックIVのうち2隻を2032年と2035年に、そして残る1隻については最終型のブロックVIIが2038年に納入されるそうです。
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その一方で、現在オーストラリアがイギリスと共同開発している「SSN-AUKUS」攻撃型原潜は2040年代初頭に納入予定で、もしこの計画が遅れたらヴァージニア級2隻が追加発注されることになります。
ヴァージニア級の取得は「SSN-AUKUS」就役までのつなぎであると共に、オーストラリア海軍が攻撃型原潜の運用に習熟する目的も兼ねています。将来的にはこれらの艦をもって英米豪がインド・太平洋海域の防衛に当たることになる構図が予想されます。
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