新車並み、いや新車以上!? JR四国の“顔”8000系特急リニューアル 雰囲気ぜんぜん違う!!
JR四国がリニューアルした特急形8000系電車を多度津工場で公開しました。登場から31年、前回のリニューアルからは約20年。外観や普通車指定席がかなり変化していました。速報でお届けします。
「瀬戸の疾風」が進化
JR四国初の特急形電車として、1992(平成4)年に登場した8000系。コンセプトが「瀬戸の疾風」であり、いわゆる“振り子”機能により高速で曲線通過が可能です。当初は最高160km/h運転も検討されたほどの高速性能を持ち、現代の視点でも高性能な車両です。2023年現在は岡山・高松~松山間の特急「しおかぜ」「いしづち」の主力車両として活躍しています。
8000系は2004(平成16)年に内外装のリニューアルを行いましたが、2023年から、2度目となるリニューアルが実施されています。12月5日(火)、その様子が報道陣へ公開されました。
リニューアルでは、配色を新型の8600系電車と共通にしたほか、客席へのコンセント設置やトイレの洋式化、車いすフリースペースの設置も行われています。
コンセントはグリーン車と普通車指定席の全席、普通車自由席の窓際に追加され、利便性が向上しています。また、照明がLED間接照明となり、荷物棚面も照射することで室内が明るく、開放的な印象です。
普通車指定席と自由席は「柑橘」と「瀬戸内の海」をモチーフとしており、四国らしい豊かで穏やかな自然を感じさせるものとなっています。床も木目調に変わり、より居心地のよい空間となりました。
観光列車「ものがたり列車」などを手掛け、今回はデザインを担当したJR四国 お客様サービス推進室の松岡哲也担当室長は、「8000系は愛されている車両であり、流線形で社の看板にもなります。リニューアル車両の運行は、1日2〜3往復を予定しており、その後も15年は使用したい」とし、以下のように続けました。
「外観を変えるには議論もありましたが、良さを残しつつ、新しさを入れることを重視しました。『JR四国の顔』をリニューアルすることに、やりがいもプレッシャーも感じつつ、この列車で遠くに行けるんだという特急らしいスピード感を重視しました。カラーイメージを8600系と合わせ、見た目にも愛媛へ行く列車であることを明確にしつつ、多くのファンがいる8000系のデザインも残したのです」
なお今回の報道公開は、グリーン車が含まれないS編成です。グリーン車は2024年8月にリニューアル編成が登場するとのこと。全編成のリニューアルは2027年が予定されており、8000系のさらなる活躍が期待されます。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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