もうすぐ140歳の通勤路線!? どうなる「愛知県最初の鉄道」の歴史遺産 電化経てついに変化のとき

半田駅にあったJR最古の跨線橋

 木造駅舎の玄関脇には、「建物資産標 鉄 03-1001 M19年1月」とプレートが掲げられています。「明治19年1月に竣工」と記され、武豊線が工事用鉄道として開通する直前に駅舎が建設されたことになりますが、おそらくそういうこともあったのでしょう。亀崎駅舎は日本最古の現役駅舎とされ、愛知県や半田市などの観光案内にも紹介されるほどです。

 ただ、亀崎駅では1895(明治28)年に火災が発生し、逓信省鉄道局『鉄道局年報』(明治27年)に「(前略)亀崎停車場本屋及駅長官舎並附属建物火災二罹リ(後略)」と記載があります。本屋は駅舎のことを示します。この年報によると駅舎は焼失し、1895年以後に再建されたことになりますが、どのみち100年以上前の木造駅舎には変わりありません。路線が電化され、跨線橋が新設されるなど近代化されていても、最古級の駅舎が現役で活躍する姿は嬉しいです。

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亀崎駅。近代的な島式ホームや、近年増備されたエレベーター付き跨線橋に混ざって、日本最古の現役といわれる木造駅舎がある(2020年6月16日、吉永陽一撮影)。

 もう1か所は亀崎駅から2つ先の半田駅です。半田駅には、建設時と同じ場所で使われていた、JR最古の跨線橋がありました。ただ先述の通り連続立体交差事業によって駅が高架化されるため、2021年に惜しまれつつも撤去されました。

 跨線橋は1896(明治29)年に設置されて以降、一度も移設などされたことはなく、撤去されるまでの125年間、半田駅を見つめてきた生き証人でした。跨線橋には「明治43年11月に完成 JRでは最古の橋です。昭和62年11月 半田駅」と掲げられ、最古の存在をアピールしてきました。

【125年前!?】これが現役だった「JR最古」の跨線橋

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