完全無人の「考える潜水艦」? 防衛装備庁が開発する“期待の新装備”開発拠点をみてきた 頭脳はまだ発展途上?

空中や陸上と違い水中は電波が届きません。そのためUUV(無人潜水艇)開発は、UAV(無人航空機)やUGV(無人車両)、USV(無人水上艇)とは格段に違うとか。では、遠洋で使うのが前提のUUVは、どう運用するのでしょうか。

長期運用を目指して試行錯誤中!

 長期運用型UUVは7日間の連続した運用が可能だそうです。しかし、7日間はあくまで研究のマイルストーンであり、より長期間の運用を目指しています。ここで問題となるのが、エネルギーです。

 アメリカ海軍の大型UUV「Orca」は約2か月動くことができると言われていますが、これは同機がディーゼル・エレクトリック機関を搭載しているからです。日本で開発が進められている長期運用型UUVはリチウムイオン電池を搭載していますが、現時点の技術では電池より化石燃料のほうが、エネルギー密度(体積あたりのエネルギー量)が高いです。これはガソリン車とEV車の走行距離を考えるとわかりやすいでしょう。

 一方でディーゼル機関は吸排気のため浮上する必要があります。これは隠密行動が求められるUUVにとって大きなデメリットとなります。日本ではより長期間の行動を可能とするため、燃料電池やAPI機関など、さまざまな動力源を模索しているようです。

Large 20231223 01
海中の音響環境を再現できる水中音響計測装置の巨大水槽。縦横35×30m、深さは11mもあります。まるで巨大ロボットアニメの研究施設のような迫力だ(綾部剛之撮影)。

 このように、現在テストが続く長期運用型UUVですが、これはそのまま部隊配備されるものではなく、あくまで艦艇装備研究所による実験機なのだそう。部隊配備を目指す「量産機」となれば、機能や性能など部隊側のニーズなどに沿ったものとなっていくと思われますが、長期運用型UUVはそのための技術的な土台になるでしょう。

 今回、防衛装備庁の岩国海洋環境試験評価サテライトを取材したことで、改めて島国日本にとって長期運用が可能な大型UUVは、確実に将来、必要不可欠な防衛装備となると実感しました。

【了】

【意外とデカい】これが自衛隊の救世主「長期運用型UUV」です(写真)

Writer:

軍事関連をメインとした雑誌/書籍の編集者。専門は銃器や地上兵器。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス