廃止に悲鳴のJR京葉線「通勤快速」なぜあんなに飛ばす? 総武線で代替が一筋縄でいかないワケ

有楽町線・りんかい線ユーザーは困る?

 住宅用地が増えたとはいえ、当時は今ほどの沿線人口は抱えていません。幕張新都心に代表されるような商業・業務地区も形成中であり、京葉線は東京湾岸を通って東京へアクセスするバイパス路線の性格が強かったのです。

 同時に、内陸側で並行する総武線の混雑解消も課題でした。総武線快速(新小岩→錦糸町)の混雑率は1987(昭和62)年度に266%を記録していましたが、京葉線全通後の1991(平成3)年度に237%へ低下(『都市交通年報』による)。列車の増発などほかの要因もあるにせよ、通勤客が京葉線へシフトしたと考えられます。

 通勤快速は当時から蘇我駅発着ではなく、そこから先、内房線や外房線へも直通していました。まさに長距離輸送に特化した種別といえるでしょう。2024年3月のダイヤ改正で消滅するとなると、千葉以遠~東京間の移動では総武線の利用率が上がるかもしれません。

 ただ、聞かれる声は全てが東京駅までの利用ではなく、新木場駅へのアクセス性低下を懸念するものもあります。

Large 221228 twilht 02

拡大画像

新木場駅はJR京葉線のほか、地下鉄有楽町線とりんかい線が乗り入れる(画像:写真AC)。

 同駅は地下鉄有楽町線とりんかい線への乗換駅です。官庁街である永田町やお台場地区への通勤客は、総武線での代替は効きづらいでしょう。国土交通省国土政策局が公表する「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」によると、2022年度の京葉線の乗降客数は、新木場駅が東京駅に次ぐ2位(10万3912人/日)となっています。

 JR東日本の千葉支社は、京葉線の通勤快速廃止と快速減便について「混雑の平準化を図るため」としています。

 なお10両編成で運行される通勤快速は、途中の誉田駅(千葉市緑区)で分割・併合を行い、外房線と東金線へ直通します。昨今、列車の分割・併合は各鉄道会社で減少傾向にありますが、前出の千葉支社は、それが「通勤快速の廃止理由ではない」と話しました。ダイヤ改正後は各駅停車となって、引き続き誉田駅で分割・併合が行われます。

【了】

つまり… 通快・快速の廃止後は【図解】

テーマ特集「【特集】大変化!?「2024年3月ダイヤ改正」鉄道各社の情報を一気にチェック!」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 平日朝夕のみ運転する特急さざなみ号を増発すればよい。
    そしてりんかい線と有楽町線を京葉線に直通運転して欲しい