JR特急の実質“最古参”!? 「ゆふいんの森」登場34年 今や“国際列車”の様相だった!

JR九州を代表する人気観光列車といえば、博多~由布院・別府間を走る特急「ゆふいんの森」でしょう。年間乗車率80%といわれる人気列車ですが、その一翼を担うキハ71系は大ベテラン車両でもあります。

乗客の大半が外国人

 JR久大本線は、工業デザイナー・水戸岡鋭治氏が最初に手掛けた観光特急が走った路線でもあります。その列車は1989(平成元)年に運行開始した「ゆふいんの森」。年間乗車率が80%を越える人気列車です。

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JR九州の観光特急「ゆふいんの森」に使われるキハ71系気動車(安藤昌季撮影)。

 九州の魅力を伝えるべく、その各県を巡るように運行する列車をJR九州では「D&S列車」と呼称しています。その最初期といえるのが「ゆふいんの森」で、当時からのキハ71系気動車もいまだ現役です。キハ71系は、1930年代ドイツの流線型気動車のようなレトロ調のデザインで、金メッキの荷物棚やハイデッキの床、大窓、ビュッフェなどを備えます。

 では、さっそく乗車してみましょう。現行の「ゆふいんの森」は、キハ71系で運行される3・4号(博多~別府〈由布院経由〉)と、より新しいキハ72系で運行される1・2・5・6号(博多~由布院)があります。キハ72系も魅力的な気動車ですが、筆者(安藤昌季:乗りものライター)はレトロ調デザインが好きなので、キハ71系の方がやや好みです。

「ゆふいんの森3号」は午前10時11分に博多駅を出発します。終着の別府駅まで3時間17分かかりますが、これは観光特急としてはトップクラスの運行時間。じっくりと列車の旅を楽しむことができます。

 外国人専用の乗り放題きっぷでも乗車できるため、乗客の80%が中国や韓国からの訪日客とも報じられます。私の乗車時は5割程度が外国人と感じましたが、まるで国際列車の雰囲気でした。

 始発から列車は混雑しており、ビュッフェには外国人客の列ができていました。クルーが見事な外国語を話し、落ち着いて対応する姿は洗練されていて、美しささえ感じました。ただ、日本語放送しかなかったり、車内に多言語対応の液晶モニターがなかったりする点は気になります。

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