戦闘機× 潜水艦× 防衛装備“ないない尽くし”の国、政権交代でどうなる? 未払いで納入遅延の哨戒機は

稼働している潜水艦がゼロ! 哨戒機もヤバい海軍

 一番深刻な可能性があるのが海軍です。同軍はサンタクルス級「サンフアン」が2017年に事故で沈没して以降、稼働中の潜水艦がゼロになっています。同型艦「サンタクルス」は艦籍としては退役になっていませんが、修理途中で、保管されている状態です。そのため、海軍の潜水艦部隊はペルー海軍で艦を借りて訓練を行うなどしています。

 新造の潜水艦を他国から購入するのは、アルゼンチンにとっては投資規模が大きすぎることから不可能で、他国の退役する潜水艦を購入するという選択肢が有力視されている模様です。具体的にはブラジル海軍で旧式化しているドイツ製の209型潜水艦(トゥピ級)が挙がっているものの、一時交渉が中断して以降、再開はしていません。

 さらに哨戒機のP-3Bも老朽化しています。代替として、ノルウェーで退役したP-3「オライオン」の購入を決め、これも2023年中に受け取る予定だったところ、初回支払金の未払いによって納入が延期。12月21日にようやく支払ったとの報道があったため、今後納入されるとみられていますが、移送日などの詳細は明らかにされていません。

一番安定している陸軍も装輪装甲車の問題が…

 陸軍はどうでしょうか。戦車については、現在保有しているアルゼンチン中戦車(TAM)のアップデート型であるTAM 2CA2に近代化改修して配備する方針を2023年7月12日に発表済です。全天候射撃システムの搭載や、高度なデジタル火器管制システムの導入、砲塔の動力システムを油圧式から電子式に変更するなどの近代化を実施します。これはメンテナンス用のコンポーネントやスペアパーツ、消耗品の約70%が国産であるということで、海外部品が多い車両よりも安定した稼働率が期待されています。

 一方、装輪装甲車に関してはブラジルのグアラニ装甲車を161台購入するはずだったものの、ブラジルの銀行などとの融資・保証交渉が難航し、2023年7月21日以降、棚上げ状態になっています。

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陸軍の次期戦車としてアップデートされたアルゼンチン中戦車(TAM)2CA2(画像:アルゼンチン国防省)。

 なお現地報道によると、政権交代により国防予算が急に増額される可能性は低いとされています。現在の予算では、将兵の給与や既存兵器を維持する経費などで手一杯という状態。陸海空軍の新たな装備の確保にも、まだまだ困難が待ち受けているようです。

【了】

【いつになったら配備!?】これが、アルゼンチン軍の欲しいものリストです(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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