戦闘機× 潜水艦× 防衛装備“ないない尽くし”の国、政権交代でどうなる? 未払いで納入遅延の哨戒機は

注文していた防衛装備品がお金の未払いにより納入遅滞となるなどしているアルゼンチン。2023年11月に政権交代が起きましたが、危機的な状況にある軍の装備品はどうなるのでしょうか。

稼働している潜水艦がゼロ! 哨戒機もヤバい海軍

 一番深刻な可能性があるのが海軍です。同軍はサンタクルス級「サンフアン」が2017年に事故で沈没して以降、稼働中の潜水艦がゼロになっています。同型艦「サンタクルス」は艦籍としては退役になっていませんが、修理途中で、保管されている状態です。そのため、海軍の潜水艦部隊はペルー海軍で艦を借りて訓練を行うなどしています。

 新造の潜水艦を他国から購入するのは、アルゼンチンにとっては投資規模が大きすぎることから不可能で、他国の退役する潜水艦を購入するという選択肢が有力視されている模様です。具体的にはブラジル海軍で旧式化しているドイツ製の209型潜水艦(トゥピ級)が挙がっているものの、一時交渉が中断して以降、再開はしていません。

 さらに哨戒機のP-3Bも老朽化しています。代替として、ノルウェーで退役したP-3「オライオン」の購入を決め、これも2023年中に受け取る予定だったところ、初回支払金の未払いによって納入が延期。12月21日にようやく支払ったとの報道があったため、今後納入されるとみられていますが、移送日などの詳細は明らかにされていません。

一番安定している陸軍も装輪装甲車の問題が…

 陸軍はどうでしょうか。戦車については、現在保有しているアルゼンチン中戦車(TAM)のアップデート型であるTAM 2CA2に近代化改修して配備する方針を2023年7月12日に発表済です。全天候射撃システムの搭載や、高度なデジタル火器管制システムの導入、砲塔の動力システムを油圧式から電子式に変更するなどの近代化を実施します。これはメンテナンス用のコンポーネントやスペアパーツ、消耗品の約70%が国産であるということで、海外部品が多い車両よりも安定した稼働率が期待されています。

 一方、装輪装甲車に関してはブラジルのグアラニ装甲車を161台購入するはずだったものの、ブラジルの銀行などとの融資・保証交渉が難航し、2023年7月21日以降、棚上げ状態になっています。

Large 20231230 01
陸軍の次期戦車としてアップデートされたアルゼンチン中戦車(TAM)2CA2(画像:アルゼンチン国防省)。

 なお現地報道によると、政権交代により国防予算が急に増額される可能性は低いとされています。現在の予算では、将兵の給与や既存兵器を維持する経費などで手一杯という状態。陸海空軍の新たな装備の確保にも、まだまだ困難が待ち受けているようです。

【了】

【いつになったら配備!?】これが、アルゼンチン軍の欲しいものリストです(写真)

Writer:

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス