空中で“停止”できた!? 使い勝手サイコーな小型機「戦場のコウノトリ」数々の有名軍人になぜ愛された?

ドイツが最前線で手軽に使えるよう開発した小型機Fi156「シュトルヒ」は、優秀な離着陸性能から、敵として戦ったアメリカやイギリス軍将兵からも愛されました。しかも大戦中の一大奇襲作戦にも使われ、その成功に貢献しています。

ドイツ軍将兵が愛した「戦場のコウノトリ」

 第2次世界大戦中、ドイツ空軍は短距離離着陸性能に優れたフィーゼラーFi156「シュトルヒ」という小型機を使用していました。「シュトルヒ」とはドイツ語でコウノトリの意味。いうなればFi156は「戦場のコウノトリ」と呼べる機体です。

 同機は戦闘機や爆撃機のように敵を攻撃するための航空機ではありませんでしたが、さまざまな任務で用いられ、前線の兵士たちから高く評価されたとか。しかも、他機にはまずない、本機ならではの優れた飛行性能から、大戦中には類い稀なる数々の戦績まで残しています。いったいどのような飛行機だったのでしょうか。

Large 20231229 01
Fi156「シュトルヒ」の機首部のアップ。操縦席のガラス部分が左右に大きく張り出しているのがわかる。これで良好な下方視界を確保していた(画像:フィンランド国防省)。

 そもそも、「シュトルヒ」が世に出る端緒になったのは、1935年にドイツ航空省(後のドイツ空軍)が提示した新しい連絡兼前線偵察機の要求仕様でした。それは、パイロットを含む乗員3名を収容し、不整地での短距離離着陸が可能で、偵察に適した視界良好なコックピットと堅牢な主脚を備えた単葉機というものです。

 数社のエントリーがあったなかで、もっとも優れていたのがフィーゼラー社の提出した設計案でした。そこで同機はFi156「シュトルヒ」と命名されて生産がスタート。1937年から部隊配備が開始されました。

「シュトルヒ」の短距離離着陸能力は、離陸時は約50m前後、着陸時には約20m前後の滑走で済むほど優れていました。この広さはちょっとした小学校のグラウンド、屋外プールなどと同じです。周りに建物がなければ、この長さの砂利道でも離着陸可能ということです。

 しかも、低速飛行時の安定性にも優れていたため、飛行中に強い向かい風を受けている状態なら、空中でほぼ停止することもできました。まだヘリコプターが実用化されていなかった当時、この短距離離着陸能力は、最前線で使うのに極めて向いており、第一線の地上部隊で重宝された理由の1つにもなりました。

 また、こういった不整地での運用を支えたのが、ショックアブソーバー内蔵のサスペンションが効いた主脚です。この主脚のおかげで、本機はかなりの不整地でも離着陸できたのです。

【えっ、Fi156じゃないの?】似ているけど違う! これが「日本のシュトルヒ」です(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス