空中で“停止”できた!? 使い勝手サイコーな小型機「戦場のコウノトリ」数々の有名軍人になぜ愛された?

ドイツが最前線で手軽に使えるよう開発した小型機Fi156「シュトルヒ」は、優秀な離着陸性能から、敵として戦ったアメリカやイギリス軍将兵からも愛されました。しかも大戦中の一大奇襲作戦にも使われ、その成功に貢献しています。

飛行機が使えない場所にたびたび降臨!

 Fi156「シュトルヒ」の能力がもっとも発揮されたのが、第2次世界大戦中の1943年9月12日に実施されたムッソリーニ救出作戦「アイヒェ」です。

 イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエレ3世は、戦況の悪化や国内情勢の変化を理由に、当時、同国の事実上の指導者であった統領ベニト・ムッソリーニを解任。グラン・サッソ山塊のホテル「カンポ・インペラトーレ」に軟禁しました。

 これに対し、同盟国ドイツの指導者であったヒトラーは、「枢軸の盟友」を救うべく特殊作戦に長けた腹心、オットー・スコルツェニーSS(武装親衛隊)少佐に命じて奪回および救出のための本作戦を実施したのです。

 スコルツェニーSS少佐は、精鋭部隊の指揮官としてさまざまな特殊作戦に従事したことから、「ヨーロッパでもっとも危険な男」との異名が付けられたほどの逸材です。そんな彼が目を付けたのが、離着陸性能に優れた「シュトルヒ」でした。

 ムッソリーニが軟禁されているホテルの前には、猫の額ほどの空き地が広がっていました。そこでスコルツェニーは、「シュトルヒ」なら空路ムッソリーニを脱出させることが可能と判断。こうして裏をかくことで、奇襲作戦を成功に導いたのです。

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ムッソリーニ救出作戦でグラン・サッソの山の中腹に着陸したFi156「シュトルヒ」。この後、ムッソリーニを載せて飛び立った(画像:ドイツ公文書館)。

 また大戦末期の1945年4月23日、ベルリン攻防戦の最中、ヒトラーはドイツ空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング国家元帥を罷免し、ロベルト・フォン・グライム空軍元帥をその後任とするため、ソ連軍包囲下のベルリンにある総統地下壕に呼び寄せました。

 これに応えたグライムは同月26日、自ら「シュトルヒ」の操縦桿を握り、著名な女流飛行家ハンナ・ライチュとともに総統地下壕近くのティアガルテンに設けられた臨時滑走路へ着陸を試みます。ところが、着陸直前にグライムは、すぐ近くまで迫っていたソ連軍の対空射撃を受けて足を負傷し操縦が困難に。そこでライチュが操縦を手助けすることで、敵中ながら無事に着陸を果たしています。

 これもまた、短距離離着陸性能に優れ、優れた操縦安定性を誇る「シュトルヒ」らしい逸話といえるでしょう。

【えっ、Fi156じゃないの?】似ているけど違う! これが「日本のシュトルヒ」です(写真)

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