羽田衝突事故で大活躍! 空港の「装甲車みたいなドデカ消防車」そのスゴさとは? しかも速い!
サイズ・重さは戦車並み!
こうした要求の高さが、空港用化学消防車の大きさにも表れています。たとえば、羽田空港にある「空港用10000リットル級化学消防車」。これはオーストリアのローゼンバウアー社製「Panther(パンターもしくはパンサー)」と呼ばれるモデルですが、全長は11.9m、全幅は3.1m、全高は3.65mあり、そのサイズは61式戦車(全長8.2m、全幅3m、全高2.5m、重量35t)を上回ります。
荷台には3つのタンクが備えられており、ここに水1万500リットル、薬液650リットル、消火剤300kgを積載。これらを噴射するためのターレット(放水銃)を、屋根上と車体前面バンパーに1基ずつ計2つ備えています。
また車体側面には、左右それぞれ「ハンドライン」と呼ばれるホースを備えています。これは火災現場に到着したのち、車両から下車した防護服着用の隊員が手で操作しながら扱うものです。
ほかにも、タイヤやボディなど車体各部を炎や熱から守るため、自衛用の水噴霧装置も装備しています。
燃料まで積んだ場合の車両総重量は約32tにもなりますが、出力約700馬力を発揮する排気量1万5240ccのボルボ製D16型水冷直列6気筒インタークーラー付きターボ・ディーゼルエンジンにより、停止状態から40秒以内に80km/hまで加速できるという優れたダッシュ力を有しています。なお、最高速度は100km/h以上を誇ります。
基本的に現在の空港用化学消防車は、運転手3人乗りが基本。通常は、高熱や爆発から身を守るため車内から放水操作を行い、前出のターレットから大量の水や消火薬液などを噴射します。
航空機の燃料は左右の主翼内にあるため、航空機火災の際には車両を動かしながらノズルを使って消火活動を行った方が、安全に効率よく消火できます。ただ状況によっては、航空機内に入って消火活動をすることもあり、その場合は運転手以外の2名が手持ちノズルを用いて消火を担当します。
楽しそうに書いてるよね。不謹慎。