羽田衝突事故で大活躍! 空港の「装甲車みたいなドデカ消防車」そのスゴさとは? しかも速い!
渋谷区よりも広いエリアを守る羽田消防
羽田空港の敷地面積は、約15.1平方キロメートルある東京都渋谷区よりも広く、約15.2平方キロメートルあります。この広大なエリアをカバーするため、空港の南と北の両側に消防車庫を設けており、双方に空港用化学消防車を配置していつでも出動できるようにしています。
ICAOでは、空港を11の等級に分け、それぞれに水の量、化学消火剤の量、1分間あたりの最大放射量を定めています。このICAOが定めた基準に照らすと、羽田空港は最大の空港規模を示す「ACD10」という分類に当てはまり、最低3台の空港用科学消防車を設置することが求められています。
そのような中、羽田空港で空港用化学消防車を運用しているのは、東京航空局東京空港事務所です。ここには、空港敷地外にも出動可能、すなわち公道走行が可能な小型、ひと回り大きな中型、そして最も高性能な大型、これら3種類の空港用化学消防車が計4台配備されています。
また給水車や電源照明車なども配備されているほか、多くの負傷者が同時発生することに備えて、大量の医療資機材を運ぶフルトレーラー仕様の空港用医療作業車も配備されています。
なお、これ以外にも羽田空港の周辺エリアは東京消防庁蒲田消防署の管轄エリアとなっているため、同署の空港分署が京急・東京モノレールの天空橋駅近くに設けられており、そこに大型化学車、泡原液搬送車、特別救助隊が配置されています。
また羽田空港内には同分署のターミナル分駐所が設置されており、昼間はここに救急隊が前進配置されます(夜は空港分署から出場)。
日頃から空港消防(東京空港事務所)と蒲田消防署は協調しており、今回も空港消防が初期消火を行っている間に東京消防庁から救急車や指揮車など含め100台以上の応援が駆け付けました。そういった連携体制が、JAL機への迅速な対応につながったと言えるのかもしれません。
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Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
楽しそうに書いてるよね。不謹慎。