「千円でもいいから食べたい!」 超レトロ “オートレストランのうどん自販機”を再生! 実は「複雑な機械」オーナーに聞いた

自販機の精密&複雑な作業工程に驚愕!

 こうした経緯で、杉本さんが集めたオートレストラン自販機はこの「岐阜レトロミュージアム」に置かれました。当初はハンバーガー自販機のみを可動させて、残りは展示物として置いていたそうです。しかし、来場したお客さんからハンバーガー以外の自販機も利用したいという声が上がったことで、残りの自販機の修復も始まったのだといいます。

 なかでも、特に大変だったのは、うどん自販機だったとか。「岐阜レトロミュージアム」で稼働しているうどん自販機は、川崎重工業から分離独立した川鉄計量器株式会社(現在の社名はJFEアドバンテック株式会社)という企業が製造した機械です。

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施設内のメインとなるパチンコ・パチスロコーナー。店内の雰囲気も昭和のパチンコ店を連想させてくれる(布留川 司撮影)。

 この機械は開発目的もユニークです。当初は一般への販売ではなく、自社の福利厚生のために作られたのだとか。杉本さんによれば「最初は自社工場で働く夜勤シフトの社員たちに温かい食事を提供するために製造され、その後、一般にも販売されるようになった」とのことで、そのため採算度外視で開発されたのか、内部は非常に複雑な構造なのだそう。単純に麺と汁を温めるような簡易なシロモノではないと話してくれました。

「お金を入れてボタンを押して、商品が出てくるまでの時間が27秒。この短時間に、内部では冷蔵麺を湯通しし、さらに湯切りを2回もやってから汁に入れて出しています。このような複雑な工程をアナログ制御のリレー回路(一動作ごとに電気信号のON・OFFで動かす)でやっています。この自販機の凄いところは、人間の調理と同じ工程を機械化しているので、麺と汁と自販機の看板を入れ替えれば、うどんだけでなく、日本そばやラーメンなど、麺類どれでも販売できることです」

 しかし、ここまで複雑な機械であるため、その修復作業は簡単には進みませんでした。

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