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試験機の聖地エドワーズ基地で起きたハプニング
エドワーズ空軍基地は、F-16の試作機であるYF-16が初飛行を行った場所でした。もともと、ここは第2次世界大戦期より軍用機の試験場として使われていました。ちなみに、当時の名称はミューロック陸軍飛行場で、大戦後の1950年に事故死したパイロットの名前を冠して、現在の名称になりました。
なぜ、ここが試験場として選ばれたのか、その理由は基地の立地が大きく関係しています。ここは、カリフォルニア州内陸部のモハーヴェ砂漠にあるため1年を通じて天候が安定していて試験飛行に適していること。加えて、基地周辺に人口密集地がないことによる機密保全のしやすさなどから、公にしたくない軍用機の試験飛行を行うには最適な場所だったからです。
YF-16が最初の初飛行をしたのは1974年ですが、じつは初飛行したと呼ばれる日は2つ存在します。
公的な初飛行は1974年2月2日で、その時は約90分間の飛行を行いました。しかし、それに先だって1月20日に行われた地上滑走試験において、試験機は予定になかった離陸を行った結果、6分間、空中を飛んでしまいました。
これは、高速滑走中に機体が異常な振動をはじめたことで翼端が滑走路と接触、機体の損傷を避けるための対処としてパイロット判断で機体を離陸させたものです。そのため、原則に従うとYF-16の初飛行は1月20日になりますが、本来の試験スケジュールに沿って予定通りに行った初飛行は2月2日の方であり、公式の記録としてはこちらが明記されています。
なお、初飛行後もF-16とエドワーズ空軍基地の関わりは続いています。F-16は最初のA型から改良が続けられており、逐次この基地へ各モデルの機体が飛来し試験飛行を行っています。昨年(2023年)3月には、最新モデルのF-16ブロック70が飛来し、バーレーン空軍に引き渡す前の試験飛行をここで行っています。
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