平成の「房総特急」はここまでスゴかった! 定期引退の255系を振り返る “ほぼ変わらず”令和まで
登場から30年が経過し、「房総ビューエクスプレス」の愛称でも知られたJR東日本の特急形電車255系。3月のダイヤ改正で定期運用から外れることが決定しており、このまま引退かと思われましたが、臨時列車では引き続き運行されるようです。
太平洋と菜の花をイメージした色
2024年3月のダイヤ改正をもって、都心と房総半島を結ぶ特急形255系電車は定期運行を終了します。しかし1月に発表された「春の臨時列車」を見ると、255系は特急「新宿さざなみ」として運用される模様です。
このことは鉄道ファンを中心に話題を呼びましたが、そもそも255系とはどのような車両なのでしょうか。
1987(昭和62)年の発足以降、JR東日本は国鉄型特急車両を置き換えるため新型車両を次々に投入しました。最高速度130km/hかつテレビも付いた豪華なグリーン車がウリだった651系電車や、個室や展望車、サロン室、超大窓の普通車など快適設備が目白押しだった251系電車、1+1列グリーン車や個室を備えた253系電車は、この時代を確実にリードする車両でした。
そうした中、房総地区で老朽化しつつあった183系特急形電車を置き換えるために2編成投入されたのが255系「房総ビューエクスプレス」です。1993(平成5)年のことでした。
房総地区での海水浴需要が大きかった時代でもあり、255系は夏のビーチをイメージしたカラーリングとされました。ベイピーチホワイトの車体下半分は、深みのある太平洋をイメージしたパシフィックオーシャンブルー、側扉周辺は、陽光と菜の花をイメージしたサニーイエローで塗装されました。
それまでのクリームに赤の国鉄型特急に対して、255系は明るく斬新な塗装であり、新時代を感じさせました。1993年度のグッドデザイン賞も受賞しています。255系の塗装は後継車両のE257系電車500番台や、普通列車の帯でも採用され、現在に至るまで房総地区の色となっています。
車体は空港特急「成田エクスプレス」用253系と同じ断面ですが「房総ビューエクスプレス」の愛称通り縦方向に10cm拡大され、253系と比較して眺望が向上しました。とはいえ、超大窓が特徴だった251系の後に登場したこともあり、「ビュー」を冠するほどではないという指摘も受けました。
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