大震災で壊滅→復旧までの1か月、仙台空港では何が? 珍運用&「放射能は恐れない」知られざる奮闘

東日本大震災で壊滅的な被害を受けた仙台空港は、旅客機の発着再開まで約1か月を要しました。この間、同空港ではどのようなことが起きていたのでしょうか。

緊急時の仙台空港で行われた珍しいオペレーション

 震災後の仙台空港では、米軍の「戦場管制官」による航空管制を行う準備が進められました。同空港では、ターミナルビルの屋上にアンテナが設置され、空港の気象情報と航空機の運航に必要な情報の提供が開始されています。

 仙台空港の復旧作業は最優先で行わなければなりませんでした。というのも、そののち、在日米軍では自衛隊と協力して震災後の救援活動を行う「トモダチ作戦」を展開しますが、この作戦の根幹となる物流拠点として選ばれたのが仙台空港だったためです。

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2011年3月16日、仙台空港の滑走路について、C-130輸送機の着陸が可能かどうかを確認するCCT(画像:アメリカ国防総省)。

 飛行場としての機能を取り戻した仙台空港には大型輸送機C-17も投入が始まり、本格的な空輸作戦が始まりました。大型輸送機で空輸されてきた救援物資は仙台空港でヘリコプターに積み替えられ各地の避難所へと届けられています。

他方、震災で発生した福島第一原子力発電所からの放射能漏れから隊員を守るために、米軍では一時、同原子力発電所から半径50マイル(約80km)に米軍関係者が立ち入ることを停止する措置が取られました。

 東日本震災当時、横田基地の司令部で航空業務を行っていた故マイク・ビショップ氏によると、作戦に参加していた豪空軍のC-17乗員たちは「放射能は気にしない。必要ならばどんな場所にも物資を空輸する用意がある」と申し入れてきたそうです。

 さらに同氏は、「米軍機が日本の飛行場に発着するためには毎回調整と書類の準備が必要になる。そのため司令部の担当者は全員が震災発生からおよそ2か月間、週末も休日も返上して毎日勤務した」と話してくれたことが今でも忘れられません。

 震災後の仙台空港では歴史的にもめずらしい米軍による航空管制が民間飛行場において実施されましたが、空港機能の回復しに伴い4月1日をもって国土交通省に管制業務が引き継がれました。

 仙台空港の復興に尽力された在日米軍、自衛隊、そして果敢に放射線量の強い地域の飛行まで申し入れてくれた豪空軍の乗員の方々にあらためて敬意と感謝を表したいと思います。なお、仙台空港の一階ロビーには震災後の空港復旧作業についての説明が掲示されています。

【了】

【写真】今と全く違う…「震災直後の仙台空港」の様子

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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