「どう見ても爆撃機…」一式陸攻はなぜ「陸上攻撃機」なのか 旧海軍独自の分類方法とは

旧日本海軍で運用された九六式陸上攻撃機や一式陸上攻撃機は、世界的に見ても爆撃機のような見た目ですが、なぜ「陸上攻撃機」と呼ばれたのでしょうか。それは海軍独自の命名方法に理由がありました。

敵艦艇にダメージを与えるために補助兵器?

 ロンドン海軍軍縮条約で仮想敵国としていたアメリカの7割に補助艦保有数を制限された日本は、アメリカと将来的に海戦が発生した場合、数に劣る日本海軍を少しでも有利にするため、航空機や潜水艦を用いて、戦艦などが砲撃で雌雄を決す艦隊決戦の前に戦力を削ごうと考えます。これを「漸減(ざんげん)戦法」といいます。

 その際に、地上から飛び立ちアメリカ艦隊に魚雷攻撃、もしくは爆弾による攻撃を行うことを期待され、開発されたのが「陸上攻撃機」でした。同機種では特に魚雷攻撃が重視されました。当時、敵艦よりも遥かに小さい兵器が有効打を与えられる確率が高いとみられていたのが魚雷だったからです。

 第二次世界大戦の勃発直前には、航空機の技術の進歩もあり、エンジンの馬力が向上することで単発の機体でも安定した魚雷攻撃が可能になり、艦上攻撃機のほとんどが魚雷装備となりました。しかし、最初の本格的な量産型陸上攻撃機になる九六式陸攻が開発されている頃は、まだ実用的な魚雷搭載型の艦上攻撃機の完成型といえる九七式艦上攻撃機が登場する以前だったため、航空機による魚雷攻撃の利点を陸上攻撃機は先取りする形となります。

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日本本土を飛ぶ一式陸上攻撃機(画像:パブリックドメイン)。

 そのため、陸上攻撃機は同時期の世界の双発爆撃機にシルエットこそ似ていますが、海軍的としては陸上から敵艦隊に魚雷攻撃可能な雷撃機という扱いだったのです。

【やっぱり雷撃機だ!】海面スレスレを飛行し敵艦艇に肉薄する一式陸上攻撃機(写真)

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