韓国メーカー開発の練習機「日本も導入すればいいのに」可能性ゼロじゃない? 現実味帯びてきた理由

T-50を提案って…「それって本気?」

 T-50「ゴールデン・イーグル」は、韓国の航空機メーカーであるKAI(韓国航空宇宙産業)が、アメリカのロッキード・マーチン社の技術支援を受けて開発したもので、韓国空軍のアクロバットチーム「ブラック・イーグルス」でも使用しています。

 ただ、純粋な練習機としてだけでなく武装可能な戦闘機としても運用可能なポテンシャルを持っており、実際、その派生型であるFA-50はフィリピンで第一線運用されています。費用対効果の高さから、韓国を含む世界7か国で運用(もしくは発注済み)されており、その実績だけ見ても優秀な機体といえるでしょう。

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韓国空軍で運用しているT-50練習機。訓練用のため白を基調とした派手な塗装がされている(布留川 司撮影)。

 海外の防衛・航空業界のトレードショーにおいても、メーカーであるKAIは積極的に参加しPR活動を行っており、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)も取材のたびに同社スタッフからさまざまな話を聞いています。

 そのなかには「これは個人的な意見だが、日本もT-50を導入すればいいのでは?」という、日本人からすれば「突飛な意見」もありました。

 一般的に軍で使われる練習機は、自国の航空産業の育成と、その技術力をアピールするために国産機が選ばれることが多いです。航空自衛隊においても、現用のT-4練習機だけでなく、それ以前にもT-1、T-2、T-3といった国産機を継続して開発・運用してきた経緯があります。

 草創期を除くと、航空自衛隊の練習機に関しては独自開発の国産機しかなく、外国機を導入するのは非常に難しいことだと言えるでしょう。しかも、韓国製ともなると、両国間の外交的な関係などで、技術や運用面以外でも多くの障壁があると考えられます。

 しかし、そんな航空自衛隊の練習機にも、冒頭に記したように大きな変化が訪れようとしています。

【これが40年の差か…】韓国製T-50と日本製T-4練習機、コックピットを見比べ(写真)

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