ほぼ取れない! 寝台特急「サンライズ」の「サンライズツイン」測って納得、超人気のワケ

乗車率はどのくらい?

 床には横幅24.8cm、縦幅12.7cm、箱の深さ22cmのゴミ箱も。縦27cm、横12cmのスリッパも2つあります。寝具は枕、毛布、浴衣、シーツがサービスされます。枕は横幅47cm、縦幅20cm、高さ10cmです。

 側窓は幅118cm、高さ74cmでした。階下なので視点は低いですが、景色はそれなりに見えます。「瀬戸」の場合、瀬戸大橋では海も見えますが、大半の区間は防音壁で視界が遮断されるので、ここは2階の「シングルデラックス」「シングル」に軍配があがります。

「サンライズツイン」はとにかく広い点が長所です。また階下のため、振動も小さめ。B寝台なので、始発駅から乗車して並ばないとシャワーカードを購入できないのは難点ですが、スペースとしてはA寝台に近いものがあり、床も含めて荷物を持ち込めるのもよいでしょう。

 また、2人が寝ながら話せるのも大きな魅力です。同じく2人用で使える「シングルツイン」は2段寝台のため、構造的に寝ながら2人が会話するのは難しいです。

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瀬戸大橋で一応、海も見られる(安藤昌季撮影)。

 さて列車全体の利用状況はどのくらいだったでしょうか。「瀬戸」「出雲」ともインターネットでは全設備満席でしたが、車内を確認すると実際は「瀬戸」に「シングル」1室、「ソロ」1室、「ノビノビ座席」1席の空席がありました。乗車率は98%です。一方の「出雲」は「ノビノビ座席」が2席空席で、乗車率は99%でした。

 春休み中とはいえ、「サンライズ瀬戸・出雲」の人気は大きなものと実感します。この日は上下満員でしたので、最大632名の異なる乗客が利用していることになるわけです。遅延しやすいので、ビジネス利用が少ないともいわれるこの列車が、毎日運転にも関わらず高い乗車率を維持するのは、「この列車のファンであるリピーター」が、少なからず存在するのだろうと感じました。

【了】

広い! まず取れない「サンライズツイン」です(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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