「魚雷にロケットつけて空飛ばせ!」と思ったワケ 水中よりも好都合!? 60年現役のベストセラー兵器に

第2次世界大戦後、高性能化し続ける潜水艦に対抗するためにアメリカは魚雷の高速化、長射程化を考えます。その結果、なんとロケットで空を飛ぶ魚雷が誕生しました。しかも高性能だったので、海上自衛隊も採用し世界的にも普及しました。

VLS式に押され、「マッチボックス」は少数派に

 開発当初、このアスロックは専用のランチャーの他に、「ターター」や「テリア」の名称で知られる対空ミサイル発射機での運用も想定されていました。しかしもっとも知られているのは、「マッチボックス」の愛称でも呼ばれる箱型の8連装ランチャーMk.112シリーズでしょう。

 これは、上下にそれぞれ1発ずつアスロックが収納された箱型のセット・ランチャーを横に4セット並べたもので、発射に際しては、選ばれたセット・ランチャーが規定の45度の仰角をとります。そしてアスロックが発射され、無誘導の状態で放物線を描いて飛行。あらかじめ設定された距離を飛んだところで、弾頭が分離されて海中へと落下します。

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護衛艦「はたかぜ」(当時)のアスロックランチャー(柘植優介撮影)。

 アメリカ海軍でアスロックを初めて搭載したのは嚮導駆逐艦ノーフォークで、1960年に後付けされました。海上自衛隊では、1966年に就役した「やまぐも」が、「マッチボックス」ランチャーを初めて搭載しました。

 アスロックは使い勝手と信頼性に優れた対潜投射兵器であったため、改良が加えられて現在でも発展型が使用されています。

 最近では、VLS(垂直発射装置)から撃ち出すタイプのものが多くなりましたが、海上自衛隊でいうと、あさぎり型やあぶくま型護衛艦、はたかぜ型練習艦などで、いまだ「マッチボックス」ランチャーを見ることができます。

 とはいえ、これらの護衛艦も退役が目前に迫っているものがほとんどです。いかにも「投射装置然」とした旧来型のアスロック発射機を見るなら、今のうちとも言えるでしょう。

【了】

【3、2、1、発射!】護衛艦から発射されるアスロックを様々なアングルから(写真)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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