「空飛ぶ戦車」=「最強!」とはならず 「空挺戦車」がいまいちパッとしなかったワケ “軽さ”は別に活かされた

輸送機などで兵員を輸送し降下させる空挺部隊は登場以来、数々の奇襲攻撃などで活躍してきました。ときには戦車も空から降下させますが、なぜ「空から戦車」という手法が編み出されたのでしょうか。

本格的な戦車を作ってみたものの…

 アメリカ軍では1953年にM56空挺対戦車自走砲が、1965年にはその後継車両となるM551「シェリダン」という空挺戦車が採用されました。両車両ともアルミ合金製で、重量はM56が約7t、「シェリダン」は約15tしかありません。ちなみに、両車両が運用されていた時期に陸上自衛隊が運用していた61式戦車の重量は35tです。

 徹底した軽量化により、アメリカ軍の空挺戦車はそれまでのように、グライダーに搭載したまま降下させるのではなく、空挺部隊の兵士と同じく輸送機からのパラシュート投下やヘリコプターでの運搬が可能になりました。

 M56は砲塔が正面以外むき出しのいわゆるオープントップで、砲の旋回が遅いなどの問題がありましたが、「シェリダン」ではその点を改善。通常の戦車のような砲塔と152mmガンランチャーという、砲弾と対戦車ミサイルの双方が発射可能な大口径砲を搭載し、武装の面でも強化されました。

 しかし、空挺戦車が大量に降下し、敵基地を急襲、制圧するということは起きませんでした。輸送機に搭載する重量の関係から採用されたアルミ合金の車体は、対弾力という点では最低限であり、対戦車戦や地雷耐性が厳しいのはもちろん、敵兵が現地で手作りした携行対戦車武器も脅威となる有様でした。

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C-130から降下するM551「シェリダン」。実戦で空挺投下されたのは1989年のパナマ侵攻時のみで、その際、約半数が着地時に破損、故障したという(画像:アメリカ陸軍)。

 さらに「シェリダン」の初実戦投入は1960年代のベトナム戦争で、空挺戦車には不向きの湿地帯や熱帯雨林での戦闘だったため、頼みのガンランチャーも装填できなくなるトラブルや不発が相次ぎました。1989年のパナマ侵攻では初めて空挺投下されますが、約半数が着地時に破損、故障したといわれ、当初思っていた性能は発揮されることがありませんでした。

【「空から戦車」の副産物?】写真でもスピード感が伝わる世界最速の戦車FV101「スコーピオン」(写真)

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