ジャングルから里帰りした「飛燕」なんとパイロット判明! 知られざる“エース”と新戦闘機ミュージアムとの「奇跡の縁」

岡山県の浅口市にこのたび三式戦闘機「飛燕」のミュージアムが開館しました。ここではジャングルから引き上げてきた実機とピカピカの原寸大模型が展示されていますが、なんと前者については、文字通りの “里帰り” だと判明しました。

まさに “里帰り” となった奇跡の実機

 こうして、ニューギニアに赴任した垂井中尉は、ここでも撃墜戦果を重ねています。中には強敵であったアメリカ陸軍のP-47「サンダーボルト」戦闘機も含まれています。

 しかし、この三式戦177号機はエンジン故障で湿地帯に不時着したことで、同機の戦争はそこで終わりを告げした。しかも、この不時着から生還した垂井中尉も、1944(昭和19)年8月に受けた機銃掃射で戦死してしまいました(戦死後大尉に昇進、総撃墜数38機)。

 こうした「飛燕」177号機の数奇な運命やその後の日本へ帰還の経緯を知ると、まさに “奇跡の里帰り” だったと言えるのではないでしょうか。

 今回のオープニングには、垂井大尉の岡山県在住のご遺族のほか、第2中隊で整備を担当した足立昌敏大尉のご遺族も東京から参加しており、意義のあるセレモニーになりました。

 同ミュージアムでは、今後こうした歴史的な新旧の機体を間近で見学できるようになります。入館は専用サイトでの事前予約制となりますが、岡山県に行く機会があれば足を運んでみたらいかがでしょうか。

 肉眼で直接その貴重な展示を見ると、当時の歴史や日本の航空技術に対して新たな思いを抱くかもしれません。

【了】

【一見の価値あり!】往時の塗装も残っている「里帰り飛燕」じっくり見る(写真)

Writer:

1964年、香川県生まれ。イタリアやドイツ、日本の兵器や戦史研究を行い、軍事雑誌や模型雑誌で連載を行う。イラストも描き、自著の表紙や挿絵も製作。著書に「九七式中戦車写真集」や「イタリアの中戦車・重戦車写真集 」、「イタリア軍写真集」など。

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