ようやくロシア戦闘機と戦える…! 間もなく誕生「F-16ウクライナ仕様」で戦況が激変するワケ

搭載可能なミサイルの性能差が圧倒的

 MLUプログラムが適用された近代改修型は「F-16AM」と呼ばれます。このF-16AMはMiG-29やSu-27に比べて具体的にどのように強いのか。最も空中戦能力に大きな影響を与えると見られる違いが、AIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイルを搭載できるという点です。

「アムラーム」ミサイルは、タイプによるものの約100kmの射距離を有していると推測されます。また、ミサイル本体に照準用レーダーが搭載されており、ミサイル自身が敵をレーダーロックオンし、発射後はF-16AMの助けを必ずしも必要としない「撃ちっ放し」と呼ばれる自律誘導が可能です。こうした誘導方式を「アクティブレーダー誘導」と呼びます。

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ウクライナには西側製の地対空ミサイルも数多く供与されている。写真はアメリカ製「パトリオット」のドイツ連邦軍仕様(画像:ウクライナ空軍)。

 一方、MiG-29やSu-27が搭載するR-27空対空ミサイルは射距離こそ「アムラーム」に匹敵するものの、ミサイル本体にはレーダーがありません。そのためR-27を発射した戦闘機は常に相手を自機のレーダーでロックオンし続け、命中までミサイルを誘導する必要があります。こうした誘導方式を「セミアクティブレーダー誘導」と呼びます。

 現代の戦闘機による空中戦は、ミサイルの性能が戦闘機の機動性をはるかに凌駕するため、「相手の射距離に入る=撃墜される」という厳しい状況にあります。

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