誰が乗る!?「朝2:45の始発便」誕生のワケ ただ“日本一早い便”ではない! 超早朝便のニーズとは?

もはや早朝というより“丑三つ時”、午前2時45分の「始発便」がまもなく誕生します。しかし、たぶん日本一であろう、もっと早い始発便も同じ会社が運行。そこには確かなニーズがあるそうです。

2時台に移動も「苦ではない」

 さらに、日本中央バスの“超早朝便”は前橋・高崎以外でも。伊勢崎・桐生・太田・館林―羽田空港線も、始発は桐生駅「3時00分発」となっています。

「2時45分発」が新設される前橋・高崎―池袋・新宿・東京駅線に至っては、その次の前橋バスセンター「6時00分発」便、さらにその次の「7時00分発」便とも運休中です。常識的な(?)時間帯の始発便を運休しながら、ある意味2時45分発に“賭けて”いると言えなくもありません。

「2時台、3時台に乗り場へ来ることも、北関東においては、それほど苦ではないのかなと思っています。お客様はクルマで駅まで来られますし、バスで寝られます。たとえば東京駅から始発の新幹線に乗るのに、わざわざ泊まるほどではない、という意識があると思います」(日本中央バス)

 その早朝の移動ニーズは、鉄道で夜行列車が運行されていたころからあったといいます。

「かつての(新潟方面―新宿の)夜行快速『ムーンライトえちご』や、(金沢―上野の)急行『能登』なども、上り便は高崎駅へ3時台や4時前後に停車していましたが、利用する人は多かったです。その記憶も下敷きにあります」(同)

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かつて運行されていた上野-金沢間の夜行急行「能登」(画像:写真AC)。

 ちなみに、前橋2時40分発が設定されている羽田空港線は当初、あまりに早すぎるとして、共同運行相手の東京空港交通も驚いたそうですが、蓋を開けてみると好調だったとか。

 宿泊代も高騰するなか、前泊をせず深夜帯に移動して、朝から思いっきり行動できるというニーズを、夜行列車に代わって高速バスで実現している日本中央バス。今後も、「その手があったか!」という施策を打ち出していきたいと意気込みました。

【了】

【もっと早いのあるの!?】日本中央バスの“超・早朝高速バス”たち(時刻表)

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