「日本一忙しい戦闘機部隊」異色の経歴もつ南国のF-15飛行隊長 どう隊員を束ねているのか

飛行隊長のお仕事とは?

 飛行隊のリーダーである飛行隊長ですが、隊員を管理する以外にもその役目は多岐に渡ります。

 飛行隊に所属する隊員は主に戦闘機パイロットで、部隊は飛行隊の種業務を支える総括班と、各種任務を行う飛行班で構成されています。飛行隊長は、飛行隊を率いるリーダー、つまり指揮官として各種任務を遂行するとともに、飛行隊の隊員を管理しています。管理者とはいえ、隊長みずからも対領空侵犯措置のアラート待機や日々の戦闘訓練も行います。そして最前線では、パイロットの行動が重要になってくるといいます。

「我々は、南西域における空の防衛の最前線として、平時から有事まで切れ目なく対応することが求められます。このため、対領空侵犯措置任務や、防空に係る各種訓練等を行うほか、最新の知識を習得して新たな脅威に対応できるよう努めており、いかなる状況においても確実に任務が遂行できる操縦者などの育成を行っています。与えられた任務を全うすべく、飛行隊長が先頭に立って隊員を率いること、そして、中核となって日々の訓練に臨むとともに、隊員の管理を行うことが飛行隊長の役割であると認識しています。

 また、飛行隊長は、管理者(マネージャー)であるとともに、対領空侵犯措置任務や訓練も(プレーヤーとして)行う、いわゆるプレイングマネージャーとしての立場であることが、他の指揮官との大きな違いです。確かに行わなければならないことは多岐に渡りますが、プレーヤーとしての立場でもあるため隊員の気持ちが分かると思いますし、空曹士の経験があるからこそ活かせる視点や私なりの強みもあると感じており、やりがいのある日々を過ごしています」(佐藤隊長)

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第204飛行隊長である佐藤2佐。一般隊員として2等空士~3等空曹といった空曹士も経験している(石津祐介撮影)。

 なお、昨年度(2023年度)に航空自衛隊が行った緊急発進の数は669回にものぼります。そのうち約6割の401回が南西航空方面隊、すなわち第9航空団によるものであり、これを365日で割ると1日あたり1回強の頻度で緊急発進(スクランブル)を行っている計算になります。

「この数字からも、我々がいかに最前線として緊張の強いられる環境で勤務し、また任務を行っているか、おわかりになるのではないでしょうか。特に、南西域における対象国の航空活動は依然として活発であることから、24時間365日いかなる状況でも対応できる態勢を保持しています」(佐藤隊長)

【一般隊員には無理!】これが飛行隊長しか付けられないワッペンです(写真)

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