「日本一忙しい戦闘機部隊」異色の経歴もつ南国のF-15飛行隊長 どう隊員を束ねているのか

最前線部隊のマネージャーとして

 このように、日々、南西諸島の最前線で対領空侵犯措置の任務にあたるパイロットたち。彼ら(彼女ら)を束ねる飛行隊長は、飛行隊の能力を維持するため、佐藤隊長は管理職として様々なマネージメントを行っているといいます。

「若年隊員の早期戦力化などによる任務遂行能力の維持向上を追求しているほか、緊張の強いられる環境だからこそ、隊員のモチベーションや勤務時間の管理が重要であり、組織要求と自己実現の両立を図ることを目標に日々任務に就いています。また、最前線で各種任務を行うプライドは保持しつつ、F-15を飛ばすためには、飛行隊の仲間はもとより、様々な部隊や隊員らの支えや協力があって成り立っているということを常に実感しつつ、互いをリスペクトし共に高め合う関係を築くことが必要でしょう」

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イーグルマークを垂直尾翼に描いたF-15J戦闘機の前に立つ第204隊長の佐藤2佐(石津祐介撮影)。

 そして、パイロットを指導するうえで飛行隊長みずから、各種手順や決まり事などを基本に沿って行うことに加え、「挨拶・掃除・身だしなみ」といったベーシックマナーを率先して示しているといいます。そのうえで、心と体の健康管理を徹底すること、そして「運も偶然ではないこと」と捉え、何事も「やるのであれば前向きに取り組むこと」を指導していると、佐藤隊長は語っていました。

 映画『トップガン・マーベリック』のように、個性的なパイロットをまとめ上げ心を掴んでいくには、隊長の力量が問われるというという事でしょうか。

 最後に飛行隊が60周年を迎えるにあたって、隊長に今後の抱負を伺いました。

「第204飛行隊は、隊員の士気や帰属意識が非常に高く、任務などに対する高い意識を持ち、現状に満足することなく改善気風に満ち溢れた部隊であると自負しています。このような第204飛行隊が、歴史ある戦闘機部隊として60周年を迎えることができること、そして何より、このタイミングで、飛行隊長として頼もしい仲間とともに日々を過ごせることを誇りに、また大変嬉しく思います。同時に、飛行隊長として歴史を繋ぐ責任も感じています」

「60周年の節目を迎えるにあたり、創隊以来の歴史や歴代の先輩方の努力に思いを致すとともに、残すべきものは継承しつつ、我々が新たな歴史を創り、後進へ繋げていきたいと思います。最後に、今後も南西域防空の要として、ワンチームとなって、その本分を果たしていきます。我ら、美鷲!!」

【了】

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