ロシア最新戦闘機の「保険」がもはや本命に!? 増備続くスホーイvsウクライナのF-16

ロシアの最新ステルス戦闘機Su-57がいまだ本格運用にならないなか、同国の空軍戦力の中核を担うようになっているのがSu-35です。稼働率も高いため、今後ロシア空軍の屋台骨を担うのは間違いないようです。

当初は150機以上造られるはずだったSu-57

 新しい戦闘機の開発は順調であることのほうが珍しいと言えます。プロジェクト失敗というほどではなかったとしても、スケジュール遅延などは日常茶飯事。特にロシアは、1991年に旧ソ連邦が崩壊して以降、経済的な問題から多数の戦闘機開発計画を頓挫させてきた経緯があり、2024年現在に至るまでただの一機種さえ実用化に至ったものがありません。

 そのなかで唯一、実用化できそうな機種として挙げられるのが、新鋭ステルス戦闘機スホーイSu-57です。

 ただ、同機は試作初号機が初飛行した2010年時点の構想では、実戦配備を2016年に開始し、150機以上を量産するという計画であったのに対し、現実はいまだ十数機ほど量産したにすぎず、ロシア空軍への実戦配備には至っていない状況です。

 ウクライナとの戦争においては、Su-57は射程距離の長い巡航ミサイルの発射など比較的安全な作戦を限定的に行っているとの情報もありますが、少なくとも本格的な実働体制にないといえるでしょう。

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Su-35S「フランカーE」戦闘機。Su-27系列の決定版とも言える機種であり、高性能レーダーなど高い空戦能力を持っている(関 賢太郎撮影)。

 このように、Su-57は開発が予定通り進んでいない模様です。こういう場合、ロシアに限らず各国とも「保険」を用意して不測の事態に対応できるようにしていますが、Su-57の場合もその「保険」の出番となりました。

 ロシアにおいて、その「保険」のような立場にあったのが、スホーイSu-35S戦闘機です。同機の原型はSu-27「フランカー」ですが、機体はほぼ完全に再設計されており、部分的なステルス性の付与や高性能な推力偏向エンジンへの換装、新型レーダー「イルビスE」の搭載など、見た目とは裏腹に著しい性能向上が図られています。なお、その高い能力ゆえに、スホーイは「第4世代戦闘機++」であると言われています。

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