「オスプレイ100年使いたい!」米軍高官が明言 生産終了なのにナゼ? 自衛隊も他人事ではない延命問題
開発時には夢の航空機と目された「オスプレイ」。しかし蓋を開けたら、開発元の米国以外は日本が購入しただけで終わりそうです。近々生産終了する計画ですが、アメリカは100年飛ばしたいのだとか。日本も後日検討の必要に迫られそうです。
需要1000機以上と目されたことも
V-22「オスプレイ」プログラム・マネージャーであるブライアン・テイラー米海兵隊大佐は2024年4月末、同機を100年運用するための改修を検討中であることを明らかにしました。
2024年現在、「オスプレイ」はアメリカ海兵隊仕様といえるMV-22Bが360機、空軍向けのCV-22Bが54機、海軍型のCMV-22Bが48機、そしてアメリカ以外唯一の採用国である日本の陸上自衛隊がMV-22を17機導入しているため、これら合わせて総計479機が受注済みです。なお製造は、予定どおり進めば2026年会計年度中に全機完了する見込みです。
そのオスプレイを早速改修し、100年運用するという方針は、一体何を意味するのでしょうか。
「オスプレイ」は1989(平成元)年に原型機が初飛行した垂直離着陸が可能なティルトローター構造式の飛行機です。ただ、事故の発生などにより開発は難航、2000年代後期にようやく実用化しました。
そして「オスプレイ」は2024年現在、世界唯一にして史上初の実用ティルトローター機です。「プロップローター」と呼ばれるプロペラを、巡航時は飛行機のように前向きで、離着陸時は角度を90度上向きに回転させ、ヘリコプターのように用いることで、垂直離着陸を可能にしています。
既存のヘリコプターは、飛行機と比べ、わずかな人員や物資しか搭載できません。また燃費も悪いため長距離を飛行することもできず、速度も遅いという欠点があります。ただ、ヘリコプターには「垂直離着陸が可能」という一般的な飛行機ではまず行えない、最大かつ効果的なメリットがあります。逆にいえば、この性能を持つことがヘリコプターの存在価値であるとも言えるでしょう。
これに対し、「オスプレイ」は飛行機に匹敵する航続距離と速度性能を有しながらヘリコプターのように垂直離着陸できるという、飛行機とヘリコプターのいいとこ取りをしたような存在です。そのため、「オスプレイ」開発時はヘリコプターを過去のものに追いやり、1000機以上の需要があると見込まれたこともありました。
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