「バス専用マス」に停めないで… 高速バス「休憩」の死活問題 空いてるエリアに行け?難しいんです

高速バスの運行において「休憩」はますます重要になっています。高速道路側もこの20年ほどでバスに様々な配慮をしていきましたが、SA・PAの混雑が顕在化。休憩をめぐる問題が再び変わってきています。

「わざわざ海老名行かなきゃいいじゃん」ができない理由

 以前、首都圏発着の夜行便は、新宿、東京ディズニーリゾート、横浜といった各停留所から別々の路線が発着していました。しかし2002年に高速ツアーバス形態が認められ新規参入が相次ぐと、夜行高速バスの市場が急拡大するとともに、「東京ディズニーリゾート→東京駅→新宿→横浜」という風に多数の停留所を経由する便が急増しました。京阪神や名古屋周辺でも同様です。

 経由地が少なかった頃、首都圏~京阪神の夜行便の休憩場所は、東名の足柄SA、浜名湖SA、名神の多賀SAというのが定番でしたが、起終点の前後に各停留所を経由する時間が伸びたことで、最初と最後の休憩場所が、都心により近い海老名SAと草津PAに移っている傾向です。

 また首都圏~京阪神の高速バス運行便数は、規制緩和前に比べて何倍もの規模になっています。さらに同区間を走行するトラックの量も膨大で、深夜、早朝の両施設はパンク状態です。

 SAでの休憩といっても、トイレや食事のための短時間のものから、仮眠や時間調整を兼ね長時間にわたるものまであります。高速バスの休憩はほとんどが前者ですが、ごくまれに、乗務員の仮眠を目的として90分から120分程度、SAで休憩することがあります。ただ、高速バスがこのような長時間休憩をする際は、混雑する施設や時間帯を避けるように運行ダイヤが組まれます。

 一方、海老名SAや草津PAで深夜早朝に休憩するトラックの中に長時間駐車が多いのであれば、何らかの方法で混雑の少ない施設へ誘導をお願いしたいものです。

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トイレなどサービス施設に近い場所に整備されたバス優先駐車マス(成定竜一撮影)。

 また、最近のSA・PAの充実ぶりには目を見張るものがあります。高速バスにとって休憩場所という位置づけだったSA・PA ですが、それ自体が目的地となる可能性もあります。

 中央道野田尻の下り線バス停が敷地内にある談合坂SA(上り線バス停は下り線SAに隣接)や、正式にはPAではありませんが富津館山道路のハイウェイオアシス富楽里(道の駅富楽里とみやまと同一施設)は、いずれも新宿や東京駅から高速バスで片道1時間半程度と手軽に往復でき、高速バス便も頻発しています。FIT(海外からの個人自由旅行者)にとって、滞在期間中に雨が降った日などの過ごし方として、日本独特のSA・PA の人気が高まるかもしれません。

【了】

【ナニコレ!?】バス以外は「絶対に停めさせない」ハイテク駐車マスもある!(写真)

Writer:

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。著書に『高速バスのビジネス』(成山堂書店)、『「マーケティング感覚」の実装力』(同文舘出版)。新聞、テレビなどでコメント多数。

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