ここは本当に貨物駅だったのか!? 「うめきた」に街が出現 消えゆく鉄道の記憶

消えていく鉄道の記憶

 筆者は5月、ヘリコプターでうめきた2期の再開発地域に到達しました。北街区と南街区に分かれた敷地では、それぞれ高層ビルが建設中で、南街区の方が完成に近いように見えました。

 上空から見ると、そこはもう街。ということは、貨物駅であった名残が消えていくことを意味します。長年地上にあった梅田貨物線の線路はとっくに消え、うっすらと細長い土地の空間が廃線跡だと分かる程度でした。

 また、地下化直前にはにぎわった西梅田一番踏切の跡も、どこが踏切だったのか分かりにくくなっていました。梅田貨物駅の東西を結んでいた北梅田地下道も閉鎖となり、地上に仮設歩道ができていました。敷地全体を見渡せばまだまだ地面の茶色が目立ちますが、あっという間に公園と建物が整備されていくことでしょう。

 うめきたは高層ビルだけでなく緑も多いエリアとなって、人々の憩いの場が充実します。

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大阪駅の大屋根を手前に、一足先に開発された「グランフロント大阪」と、建設中のうめきた2期の敷地(2024年5月22日、吉永陽一撮影)。

 うめきた2期「グラングリーン大阪」は、9月の先行まち開き後も、ビルと街並みが整備されて、2027年春にグランドオープンを迎えます。

【了】

【写真】梅田の廃線跡 消えた大踏切は今

Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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