「エンジン多けりゃ速いんじゃない?」実は双発にしたけど無理だった! それでも“使えた機体”とは?

単発機に比べ鈍重で格好の的に

 1930年代半ばにドイツ空軍に採用されたBf110は、「駆逐機」と称されていました。前方火力として20mm機関砲2門、7.92mm機関銃4丁を装備、さらに7.92mmの旋回機銃を持つなど、武装だけならば当時の単発単座戦闘機を大きく凌駕していたことから、爆撃機の護衛用として活躍を期待されていました。

 大戦初頭のポーランド侵攻やノルウェー侵攻などでは、爆撃機の護衛やイギリス空軍の爆撃機相手に戦果を挙げたものの、フランス侵攻、いわゆる西方電撃戦が始まると英仏の戦闘機相手に早くも損害が目立つようになります。

 このころには、すでに機動性と加速に欠ける評価が出ていましたが、その後に続くバトル・オブ・ブリテンでは、ほかのドイツ戦闘機が軒並み航続距離が短いなか、英仏海峡を渡ってイギリス本土上空に一定時間滞在できる機体は同機しかなかったことから、多数が駆り出されます。

 しかし、そこで機動性に優れたイギリス戦闘機の格好の餌食となってしまい、多大な損害を出す一方ほとんど活躍できないまま終わったとか。一説によると、作戦に投入した237機中223機を失ったといわれています。

 旧日本陸軍の二式複座戦闘機「屠龍」なども、実戦投入した当初は双発の戦闘機として期待されましたが、中国大陸や東南アジアなどで米英の単発単座戦闘機と戦った結果、早々に正面切っての戦いでは太刀打ちできないと判断されました。

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夜間の飛行に対応するために機首にレーダーを搭載したBf110(画像:連邦公文書館)。

 ただ、この2機はその後本土防空で夜間の大型爆撃機を目標とした「夜間戦闘機」としてはその性能を発揮することになります。

【棒…じゃない!】これが、P-38の操縦席です(写真)

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