危険性わかっているのに! 悩ましい「第4種踏切」問題 “コスパ良い改善プラン”もあった?

たびたび問題になる第4種踏切の危険性。その多くは中小私鉄に設置されており、利用者も少ない一方で、改修費用が多くかかることから、なかなか改善されません。そうしたなか低コストで危険性を低減する取り組みもあります。

遮断機も警報機もないのが第4種踏切

 2024年4月6日に群馬県の上信電鉄で発生した事故をきっかけに、遮断機も警報機もない「第4種踏切」の危険性がまたクローズアップされました。国は1961年の「踏切道改良促進法」施行以来、より安全な踏切にすべく施策を続けていますが、いまだ第4種踏切の解消にはいたっていません。背景には費用面の問題など、個々の事情が関係しているようです。

 そもそも「第4種踏切」とは踏切の種別のひとつで、現在は第4種のほか、遮断機と警報機のある「第1種」、警報機のみがあって遮断機のない「第3種」が存在します(第2種は全廃)。

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珍しい非電化複線区間にある第4種踏切(咲村珠樹撮影)。

 国土交通省が発表した2022(令和4)年度の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、踏切の安全性を高め、交通の円滑化を図る「踏切道改良促進法」が施行される前の1960年度には、全国で7万1070か所あった踏切のうち、そのほとんどを第4種が占めており、踏切事故も全体で5482件発生していました。

 しかし、同法の施行後は徐々に踏切の転換(より安全な第1種化)や解消が進み、2022年度には全国で3万2442か所ある踏切のうち、第4種踏切は2408か所まで減り(全体の7%)、踏切事故も全体で195件と激減しています。

 なお、その195件のうち第4種踏切で発生したのは16件(8.2%)でした。全体の割合としては少なく映るものの、発生率で見ると約0.66%となるため、しゃ断機と警報機を備えた第1種の約0.59%を上回っています。これらを鑑みると、やはり第4種踏切は安全面で問題があるといえるでしょう。

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