羽田じゃない方の都内空港で続く”異常事態”…「事故の対策です」←本当に解決になってます?

東京都の調布空港は、旅客定期便のほか、都内で唯一、小型機が使用可能な貴重な空港でもあります。でも現在はそれが実質不可能に。なぜなのでしょうか。

滑走路が200mも短縮、なぜ?

 東京都内には、離島を除くと羽田空港のほかに、もう1か所、旅客機が発着する空港があります。それが調布空港(調布飛行場)です。ここは旅客定期便の発着という役割のほかに、都内で唯一、小型機が使用可能な貴重な空港でもあります。しかし、この場所、都が管理する公共飛行場としては極めて異常な状態が、2024年現在も続いているのです。

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調布飛行場(乗りものニュース編集部撮影)。

 それは、調布空港では現状、自家用機の運航がほぼ不可能、ということです。なぜこのような状態になってしまったのでしょうか。同空港の歴史を含めて振り返ってみたいと思います。

 調布飛行場は1941年、東京府(当時)が「東京調布飛行場」として開設しました。開設時は南北方向に長さ1000mと東西方向に500mの滑走路が交差する形で配置されていました。

 その後、第2次世界大戦が始まると、調布空港は日本陸軍が用いる軍用飛行場になり、戦後は在日米軍施設へと姿を変えたのち、1973年に日本側に返還されました。返還時の滑走路は開設当初と同じ1000mの長さがありましたが、飛行場の北側にあった焼却炉の煙突が障害物になるため、北から着陸進入時の接地点を200m南に移す措置が講じられています。

 このようなケースでは、着陸のための接地点だけをズラし、離陸時は滑走路の全長をそのまま使用する方法が一般的です。航空機が安全に離陸するためには、滑走路は長い方が有利だからです。ところが、調布空港では舗装部分は1000mのまま残したものの、接地点のマーキングを移動した際に、着陸だけでなく離陸についても800mしか使えない滑走路としてしまいました。

【写真】調布空港を大きく変えた墜落事故、現場の様子

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コメント

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1件のコメント

  1. いつも興味深いお話、楽しみに読んでいます。

    記事の中で2015年の調布飛行場での事故が取り上げられています。その中で「機体が落下した住宅では火災が発生し、残された犬の救助に向かって焼死した住民1名と搭乗者1名の2名が犠牲になったのです。」と、死者数を2人と書いています。

    航空事故調査報告書(AA2017-4、個人所属パイパー式PA-46-350P型JA4060墜落)の要旨、概要には次のように記載されています。

    「同機には、機長ほか同乗者4名の計5名が搭乗していたが、機長及び同乗者1名が死亡し、同乗者3名が重傷を負った。また、住民1名が死亡し、住民2名が軽傷を負った。」

    死者数は3人だと思います。