自衛艦イチ“クセ強”? 能登半島地震で爆速上陸した「水陸両用艇」の基地へ 「ここ飛行場ですか?」フネらしさゼロ!?

令和6年能登半島地震の救助活動で物資などを海上から輸送し、一躍脚光を浴びた自衛隊のフネが「LCAC」です。整備施設を見学すると、つくづくフネらしくなく、まるで飛行機のようでした。その「クセ強感」に迫ります。

ますます飛行機のような施設続々

●洗浄機

船体の海水を洗い流す施設で、左右のダクトから15tの真水を噴射して5分で完了します。洗浄作業は必須で輸送艦内にも真水ホースがあり、帰艦してくると人力で洗浄作業を行います。

●格納庫

整備を行う施設で天井クレーンなどが揃っており、自走クレーンも入場できる高さがあります。扉構造などは飛行機の格納庫とよく似ています。

●移送装置

LCACを吊り上げて、海上から施設内各所を移動させる自走クレーンです。定格荷重150tとなっていますがこの荷重では自走できず、120tまでが自走可能な限界です。速度は荷重状態で20m/分、空荷で40m/分。LCACの乾燥重量は85tですが、海から上がる時は海水を含んで100t位にもなるそうで、それでも吊り上げられる能力があります。

※ ※ ※

 なお、移送装置の操縦席は前進方向右側、前後にあり、エンジンで発電し電動モーターで車輪を駆動する方式です。走行時は操縦士1名で、地上誘導員が付きます。

 LCACの運用は特殊技術と専用の施設を必要とする艦艇とはまた違ったプロジェクトです。その「クセ強」な特徴から、飛行場のような整備施設でのメンテナンスが欠かせませんが、島国で離島も多い日本には無くてはならない存在です。

Large 20240809 01
120tまで吊り上げて移動できる移送装置(自走クレーン)(月刊PANZER編集部撮影)。

 ちなみに自衛艦には通常、自衛艦旗が掲げられますが、LCACには側面に国籍を示す自衛艦旗が描かれています。LCACではプロペラへの巻き込みを防ぐため旗を掲げることができないのです。胴体に国籍標識を描くのも飛行機みたいでフネらしくない「クセ強」な性格の一端でしょうか。

【了】

まるで飛行場! これがクセ強なLCAC整備場です(写真)

【ミリタリー】急げ、救え! 自衛隊「災害派遣」の現場にせまる!

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス