「原付」絶滅に“待った”をかけるか 「ホンダのバイクを“ヤマハ”で出す」提携の意味 縮小する市場に一石

50ccの「原付」バイクが縮小するなかで、ホンダとヤマハが新たに提携。ホンダの電動バイクもヤマハブランドで販売することになりました。これにより縮小する原付の選択肢が拡大するかもしれません。

ガソリン車に続き電動バイクもOEM

 2024年8月8日、ヤマハ発動機とホンダは原付1種バイクの日本市場向けモデルで協業を発表しました。ホンダが市販する電動バイク「EM 1e:(イーエムワン イー)」、「BENLY e: I(ベンリィ イー ワン)」をベースとしたモデルを、ヤマハにOEM供給します。
 
 ライバル同士である両者のOEM提携は、同じ原付1種のガソリン車でも実績があります。排気量50ccに相当する原付1種市場は、2025年11月の排出ガス規制強化でこのままでは大幅に縮小する見込みで、それを埋める電動モデルの投入が加速することとなります。

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ヤマハへOEM供給されるホンダ「EM 1e:」(画像:ホンダ)。

 2023年8月に発売された「EM1 e:」は、ホンダ初のパーソナルユースの販売先を限定しない電動原付バイクです。また、「BENLY e:I」は、2020年4月にビジネスバイクシリーズの先行モデルとして投入されました。モデル名のIは、新聞配達などを想定した特別仕様「PRO」と区別するために付けられた名前です。いずれも、交換式バッテリーの「MPP(モバイルパワーパックe:)」を使って、パワフルな走りを実現しています。

 ヤマハは原付1種市場で電動モデル「E-Vino(イービーノ)」を2015年から発売していますが、交換式バッテリーを搭載した電動バイクは市販がありませんでした。ヤマハLM(ランドモビリティ)戦略統括部事業企画部・吉田誠部長は今回のOEM供給について次のように話しました。

「合意に至った背景は、自社の開発期間をかなり短縮して、いかに早く電動モデルを投入できるかに主眼を置いた」

 国内の原付1種市場は、2025年11月に排出ガス規制の強化が実施され、50ccエンジンバイクの新車販売が事実上できなくなります。その代替として、“新基準原付”規格に合致する125ccエンジンのバイクを原付1種とする一方で、本来の環境対応である電動化が急がれています。

 ただ、性能と価格がバランスするエンジン車(ICE)と比較すると、ユーザーが求める電動車(BEV)が選択しにくい現状があります。

 OEM供給に合意した2つのモデルに搭載する交換式バッテリーは、そもそも2021年3月に2社を含む国内4社で合意した「電動バイク用交換式バッテリーの規格」に沿って作られています。この規格で製造されたバイク用の交換式バッテリーは、今のところホンダ製しかありません。

【ヤマハも郵便バイク?】OEM供給される2車種(画像で見る)

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コメント

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1件のコメント

  1. ヤマハは原付1種市場で電動モデル「E-Vino(イービーノ)」を2015年から発売していますが、交換式バッテリーを搭載した電動バイクは市販がありませんでした。

    は???
    ちゃんと調べて記事書きなさいよ…