新幹線寸断!「名古屋-東京」を“かなりマイナーなルート”で迂回した結果 「まず選ばないだろうね」

「しなの」満席!さあどうする?

 翌8月30日、なんとかこの日のうちの帰京を考えたものの、東海道新幹線は東京-名古屋間で終日運休と発表。代替ルートとしては、名古屋-塩尻で特急「しなの」、塩尻-新宿で特急「あずさ」を乗り継ぐルートか、または名古屋-長野を「しなの」、長野-東京を北陸新幹線で乗り継ぐルートが浮かびます。
 
 東海道新幹線のエクスプレス予約の払い戻しと情報収集を行うため名古屋駅へ。朝8時の時点で窓口には行列ができていました。40分ほど並び、まずはエクスプレス予約の払い戻し手続き。今回は気象状況を鑑みて、利用者のクレジットカードに運賃・特急料金の全額が返金されると説明されました。

 次に「しなの」などのきっぷの手配ですが、この時点で15時台まで満席。また、自由席にも乗客が殺到しており、「しなの」利用での帰京案はボツに。名古屋からは特急「しらさぎ」も敦賀まで運行されており、東海道新幹線の代替ルートとして注目されるようにもなった北陸新幹線に乗り継げますが、ここで一計を案じました。

 名古屋から北陸へは、岐阜県を縦断し富山県へ至る東海北陸道を走行する高速バスがいくつか運行されています。中でも富山県高岡市を結ぶイルカ交通の「きときとライナー」は、名古屋と北陸新幹線新高岡を3時間35分で結びます。今回は「きときとライナー」と北陸新幹線の組み合わせで、帰京を目論みました。

 筆者はスケジュールの都合で名古屋15時30分発の4便を選択。「きときとライナー」は当日予約ができません。飛び込みで乗車できるか気を揉みましたが、無事に空席に収まることができました。
 
 筆者を含めて13人の乗客を乗せたバスは、名古屋高速、名神高速を経て東海北陸道へ。集中工事中の名神高速でしたが、工事渋滞の影響をほとんど受けませんでした。17時ごろには、ひるがの高原SAで休憩を取り、さらに高山市荘川、白川村と山深い岐阜県内を北上します。車窓には清流・長良川の上流部分が現れ、気持ちを和ませてくれます。

 雨雲レーダーを確認し、岐阜県や北陸地方はあまり雨風の影響を受けなさそうだと判断したものの、一時的に強い雨に降られました。しかし、雲間から光が差すなど天気は保ち、ほぼ定刻の19時8分に新高岡へ到着しました。

 このルートを、名古屋-東京の代替ルートとして使用した人は皆無だった様子。話を聞いた運転手さんも「そりゃあ早く帰りたいだろうから(きときとライナーを)選ばないだろうね」と苦笑気味でした。

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乗車した「きときとライナー」は残席にも余裕が。国営木曽三川公園の「ツインアーチ138」を車窓に見る(水野二千翔撮影)。

 筆者は、エクスプレス予約の払い戻し手続きを終えた直後、JR東日本が提供する「えきねっと」を利用し、スマートフォンで新高岡20時34分発の北陸新幹線「はくたか578号」予約しておきました。ここからいよいよラストスパートです。

「はくたか578号」は発車時こそ半分ほどの乗車率でしたが、長野で名古屋からと思われる乗り継ぎ客が乗車し、一気に満席に。碓氷峠を越えて高崎に到着する寸前、街の光を見て「関東平野に戻ってきた!」と強く感じたのでした。東京には定刻23時24分着。名古屋を出て9時間という長旅になりました。

 なお、かかった交通費は「きときとライナー」が4000円、「はくたか578号」が1万3630円でした。

【画像】これが名古屋-東京「かなりマイナーな迂回ルート」です

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