新幹線寸断!「名古屋-東京」を“かなりマイナーなルート”で迂回した結果 「まず選ばないだろうね」
「迂回ルート」で移動して得た教訓は
最後に、今回の旅行を通して得た注意点について紹介します。
(1)一番早く着く方法にこだわらない
東京-名古屋間の代替ルートでは、「しなの」と「あずさ」および北陸新幹線の組み合わせが一番わかりやすく、かつ早く着くため、このルートに乗客が殺到したと考えられます。ですが、東京-名古屋間には、多彩な交通機関があります。
高速バスは東名・新東名高速を走る便が運休となりましたが、今回紹介したような北陸周りや、岐阜県の高山を経由し高速バスで新宿へ向かう方法もあります。SNSでは、名鉄バス/富山地方鉄道の高速バス富山線なども迂回ルートとして注目されたようです。
ただ、富山駅は最速達列車「かがやき」が停車しますが、今回筆者が利用した新高岡駅には停車しません。富山から「かがやき」の利用ならば、もっと混んでいたかもしれず、今回の「はくたか」の利用は結果的に、ゆとりにつながったかもしれません。
また、中部国際空港と羽田空港を結ぶ飛行機の臨時便も設定されました。鉄道でも、名古屋-塩尻間の臨時快速が設定されたほか、忘れがちですが、中央本線の普通列車を乗り継ぐ方法もあるのです。
時間に余裕があるなら一番早く着く方法にこだわらず、いま動いている交通機関の情報を集め、「今日中に着けばいい」という気持ちで、移動を楽しむくらいの余裕が必要かもしれません。
(2)“長期戦”を想定して、飲食物を確保してから乗車
東海道新幹線では車内販売がなくなってしまったため、列車が止まり車内でカンヅメ状態になると飲食物が入手できません。また、迂回ルートとなった北陸新幹線や特急「サンダーバード」では、乗り換え駅となる敦賀駅で、駅弁などの売り切れが続出したようです。こうした事態に備えて、事前に飲食物を準備しておくことが肝心です。
(3)配られる証明書などは確実にもらい、きっぷも保管すること
「エクスプレス予約/スマートEX払い戻し証明書」や「乗車駅証明書」「遅延証明書」といった証明書類は必ずもらいましょう。東海道・山陽新幹線の場合、これらと使用したきっぷやEXご利用票を窓口で提出すれば、払い戻しを受けられます。手続きは1年以内なら東海道・山陽新幹線の各駅で対応してもらえるので、とにかく焦らず、次の乗車の前や、帰宅して落ち着いてからにするぐらいの心づもりでいましょう。
【了】
Writer: 水野二千翔(高円寺工房/モビリティライター)
レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。
コメント