航空祭で戦闘機が白煙に包まれたのですが危なくないんですか? 操縦士は前見えているのでしょうか

航空祭で各種航空機が、急旋回や急上昇などのダイナミックな飛行を披露する際、パイロットなどには大きなGがかかっています。ただ「G」とは何なのでしょうか。また「ベイパー」なる雲の発生もGと大きく関係していました。

実はGを軽減しない?「Gスーツ」の役割

 湿度の高い気象条件の場合、戦闘機が旋回や上昇をする際に機体上面から派手に湯気のようなもの(ベイパー)が発生することがあります。これは急激な動きによって機体上面から気流が剥がれ、気圧が低下することで水蒸気が凝固する現象なので、この時は大きなGが発生していると判断可能です。

 宙返りをする時は、水平飛行から上昇に移る瞬間に大きなGが加わり、頂点に向かうにつれて速度が遅くなるのでGも徐々に小さくなって頂点で一番弱くなります。そこから下降するにつれ速度が上がってGが強まり、水平飛行に戻った時点で1G(地上での重力と同じ)になります。連続的に変化するGを感じられる動きだといえるでしょう。

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飛行前にGスーツを装着するパイロット(画像:アメリカ空軍)。

 Gが加わる時、血液など体液も体内で大きく移動します。旋回や上昇などでプラスのGが加わる際は血液が下半身に集まって脳への血流量が減少し、ちょうど「立ちくらみ」のような状態になって場合によっては意識を失ってしまいます。Gによる意識消失は「Gロック(G-LOC)」と呼ばれ、操縦不能になるため非常に危険です。

 これを防止するため、戦闘機パイロットなどは下半身に「Gスーツ」と呼ばれる装具を装着します。ジェットエンジンから供給される圧縮空気で膨らみ、ふくらはぎ、太もも、下腹部を外部から締め付けて、血液が下半身に集まってしまうのを防ぐ役割があります。

 ただし、その効果には限界もあるようです。以前、航空自衛隊の戦闘機パイロットにGスーツの効果について質問したところ、「5G、6Gまで行くと気休め程度ですね」との答えが返ってきました。大きなGがかかる場面では、外から締め付けるだけでは足りないのかもしれません。

 また、あくまでも「血液などが下半身に集中するのを軽減する」ものであり、Gそのものを軽減するものではありません。大きなGが加わると背骨に圧縮方向の力が加わるので、そんな状況を日常的に経験する戦闘機パイロットの中では、椎間板ヘルニアによる首痛や背中痛、腰痛に悩む人も少なくないそうです。

【マネキンの足みたい!】激レア画像 これがGスーツをチェックする様子です(写真)

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