航空祭で戦闘機が白煙に包まれたのですが危なくないんですか? 操縦士は前見えているのでしょうか

航空祭で各種航空機が、急旋回や急上昇などのダイナミックな飛行を披露する際、パイロットなどには大きなGがかかっています。ただ「G」とは何なのでしょうか。また「ベイパー」なる雲の発生もGと大きく関係していました。

Gスーツなしで10Gに耐える強者も

 とはいえ、世界を見渡すと先に述べたGスーツなしで、飛行中の大きなGに耐えている例もあります。アメリカ海軍のアクロバットチーム「ブルーエンジェルス」では、プロペラ機時代からの伝統として装着しないほか、プロペラ機で行われるアクロバット飛行(エアロバティックス)やエアレースのパイロットたちもGスーツなしで飛行しています。

 プロペラ機といってもアクロバット飛行やエアレースの際、動きによってはジェット戦闘機を超える最大10~12Gがパイロットの身体にかかります。

Large 20240915 01
Gスーツなしで大きなGに耐えるエアレースパイロットの室屋義秀氏(咲村珠樹撮影)。

 なぜ、プロペラ機パイロットはGスーツを着ないのか。その理由は、ジェット機と違ってエンジンから圧縮空気を供給することができないため、そもそもGスーツが使えないからです。では、どのような形でGに耐えているのでしょうか。それは自分自身の「筋力」でした。

 筆者がエアレースの取材をしている際、パイロットに「どうやってGに耐えているのか?」と質問したことがあります。その時返ってきたのが「脚や下腹部に思いっきり力を入れて、顔を『トマト』にするんだ」という答えでした。

 筋肉を緊張させて体内から血管を締め付け、そして“いきむ”ことで顔をトマトのように紅潮させ、血液が下半身に流れることを防いでいるのだそうです。後日、筆者自身もプロペラ機に同乗してアクロバット飛行を体験した際、その言葉に従って実行したところ、Gスーツなしで最大7Gの負荷を経験しながら、意識を失わず最後まで飛行を楽しむことができました。

 ジェット戦闘機のパイロットたちも、Gスーツの限界を知っているので、自身の筋力で踏ん張って大きなGに耐えているとのこと。普段の筋力トレーニングは、強大なGに対応するためにも、必要不可欠なものなのです。

【了】

【マネキンの足みたい!】激レア画像 これがGスーツをチェックする様子です(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス