日米対決!?「世界一長い生産ラインのクルマ」とは? “バブル時代”ならではの珍車でしょ!

1986~1993年にかけてGMが生産したキャデラック「アランテ」は、「世界最長の生産ライン」のクルマとPRされました。しかし、実はそれをはるかに上回る車種が日伊合作で作られていたのです。

「世界最長の生産ライン」が売り文句のアメ車

 キャデラック「アランテ」は、アメリカ車でありながらボディの製造はイタリア北西部の都市トリノにあるカロッツェリア(自動車製造工房)のピニンファリーナが請け負っていました。そのため、ここで作られたパーツは、アリタリア航空が運航する専用の貨物機で約7000km離れたアメリカまで空輸され、デトロイトの工場で最終的な組み付けが行われていたのです。

 すなわち、製造元のGMでは空輸の距離も生産ラインの一部とみなして前述のような主張をしていたというわけです。

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カロッツェリア・ピニンファリーナとGMのコラボで生まれた米伊合作のキャデラック「アランテ」。トリノで製造したボディをデトロイトの工場まで空輸したことからGMは「世界最長の生産ライン」を売り文句にしていた(画像:GM)。

 このような手間のかかる生産方法ゆえに、アメリカ本国における「アランテ」の販売価格は、当時のGMキャデラック部門におけるフラッグシップモデル「デ・ビル」の2倍以上となる5万4700ドル(当時のドル円レートに換算して929万9000円)という極めて高価なプライスが付けられていました。なお、「アランテ」は当時の正規輸入代理店であったヤナセの手により、日本国内においても1200万円の価格で販売されています。

 とはいえ、ヨーロッパで車両の一部を組み立てたのちに、アメリカ本国へと空輸して最終組み立てを行う生産方法は、「アランテ」以外にも1950年代のナッシュ「ヒーリー」や1960年代のシェルビー「コブラ」、1989~1991年にかけて生産されたクライスラー「TCバイ・マセラティ」でも採用されていました。ゆえに、空輸という特筆すべき点はあったにせよ、このような生産方法をGMだけが採っていたわけではありません。

 では、「アランテ」のように半完成状態の車両の輸送区間も生産ラインの一部とみなした場合、最も長い生産ラインを持っていたクルマは何になるのでしょうか。

 それは日産の子会社オーテックジャパンとミラノにあるカロッツェリア・ザガートとのコラボで生まれたオーテック・ザガート「ステルビオ」であると筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は考えます。

【全然ちがう】これが日伊合作「ステルビオ」のベース車、日産「レパード」です(写真)

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