戦闘機が今もズドドド!!ってタマ撃つ必要ある? ミサイル時代にも「ガンポッド」 見た目ジャマでも欠かせない理由
戦闘機が翼の下などにぶらさげている大きなコンテナが機関砲の「ガンポッド」。空力性能や機動性を犠牲にしているとしか思えないガンポッドを、昔はともかく現代の軍用機でも捨てられない理由を紐解きます。
装弾数や火力を上げる外付け装備
軍用機の翼や胴体に外付けする武装には、爆弾やミサイルだけでなく、機銃や機関砲をコンテナに収めた「ガンポッド」と呼ばれる装備があります。
機体にぶら下げたガンポッドは見るからに邪魔で、明らかに航空機としての性能低下につながりそうです。しかしどういうわけか、搭載するミサイルが高性能化し、機体にはステルス性能が付与された第5世代戦闘機においても、依然としてガンポッドは健在なのです。そこには軍用機に求められる役割にまつわる、やむにやまれぬ事情があります。
まずは歴史をさかのぼってみます。金属製の単翼機が主流になった第2次世界大戦では、機銃がコックピット前方や主翼に内蔵されるようになりました。敵機と空中戦では機銃の口径が一般的に7.7mmや12.7mmで、B-17や「ランカスター」といった四発重爆撃機を迎撃するには、零戦に装備されていたような20mm以上の機関砲が有効とさされました。
しかし、機関砲は初速が遅く命中率が落ちるうえに重量がかさむなど問題を生じやすく、後から内部に増設するには機体設計の見直しが必要になります。そこで後付けとして主翼に機関砲を吊り下げたのがガンポッドでした。このガンポッドを最も多用したのがドイツ空軍でした。
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