ああ、発車前の「上野駅13番線」だ… 茨城の寝台特急「北斗星」に宿泊 音と揺れと“めちゃ効く冷房”で思い出した!!

茨城県の乗りものパーク「ユメノバ」内には寝台特急「北斗星」が展示されています。なんと宿泊もでき、真夏の夜に1泊したところ、往年の夜行列車旅が思い起こされました。

台車の空気ばねも生きている?

「AU77クーラーの音が好きかどうか。上野駅13番線にて停車していた『北斗星』車内の音が苦にならなければ、大丈夫かと思います」

 と、ユメノバの野口稔夫さん。たしかにクーラーの音は大きいのですが、停車中の寝台列車の車内音はこんな感じだったなと思い出しました。鉄道旅が好きな者にとっては、クーラー音だけでも気分が高揚してきます。車内はときおり寒くなることもありますが、これも国鉄時代から使われてきたAU77形クーラーの威力ともいえましょう。

 夜の帳が下りると車窓も真っ暗で、その大きな窓からは、過ぎ去る踏切の音と、ゆっくり遠ざかる町の灯りが見えてきそうです。夜も更けてくるころ、開放式B寝台はスタッフが滅灯し、ほのかに暗い寝静まった寝台車の雰囲気も味わえます。

 ふと、誰かが歩くと若干車体が揺れるのに気がつきました。台車は空気バネが多少生きており、少し揺れるのです。この感覚は現役の車両に乗車しているリアルさがあって、保存とは分かっていても「いつか走り始めるんじゃないだろうか」と期待してしまいます。

 宿泊するにあたって大切な守りごとは、全てが一点物の設備ゆえに「傷つけない、汚さない、壊さない」こと。つい懐かしさのあまり仲間と盛り上がりますが、節度ある利用を。飲食はロビーカーや寝台でも可能ですが、保存車両という認識を忘れずに、飲酒をしても汚さぬよう心がけましょう。

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朝の開放式B寝台から。読書灯や折り畳み式テーブルも使用できる。カーテンを開くと筑波山が望めた(2024年9月、吉永陽一撮影)。

 ユメノバの「北斗星」は好評につき全日営業となっています。なお年内の利用は10月31日(木)まで。ただし、土曜は全て満室となりました。冬季は車両のメンテナンスを実施し、2025年3月15日(土)より宿泊再開となります。

「北斗星」が廃止されてから9年が過ぎました。車内設備が生きている状態で宿泊できるユメノバの「北斗星」は、今となっては貴重な郷愁体験ができる施設でしょう。申し込みはユメノバ(0296-48-7417)で受け付けています。

【了】

ラストラン当時のまま! 「北斗星」車内を見る(写真)

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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