汗臭い、泥臭い、鉄臭いの3拍子揃った『ボトムズ』は監督の前職が影響か!? 終戦直後に生まれた知られざるスクーターも

『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』『蒼き流星レイズナー』などの数多くの傑作・名作ロボットアニメを手掛けてきた高橋良輔監督。そんな高橋さんのメカ描写の原点は、若い頃に乗っていた鉄製スクーターにありました。

『装甲騎兵ボトムズ』の泥臭さの原点とは

 バンダイナムコフィルムワークスのアニメ制作ブランド「サンライズ」と言えば、アニメファンの間ではすっかりお馴染みの老舗名称でしょう。アニメスタジオとして独立していた1979年に『機動戦士ガンダム』を放映して以来、数々の名作・傑作ロボットアニメを世に送り出してきました。

 そのような名物ブランドの看板監督といえば、『ガンダム』シリーズが代表作の富野由悠季さんと『装甲騎兵ボトムズ』シリーズを代表作とする高橋良輔さんの2人であるといっても過言ではありません。

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2024年7月、幕張メッセで開催された「ワンフェス」に出展していたアシェットの「スコープドッグ」(齋藤雅道撮影)。

 両者は年齢も近く(富野さんが1941年、高橋さんが1943年生まれ)、ともに手塚治虫さんが立ち上げたアニメ制作会社「虫プロダクション」出身という経歴を持ちます。しかし、その作風は大きく異なり、富野さんがSF色を強く打ち出し、海・空軍の関係者を主人公にしたようなスマートな世界を描くのに対し、高橋さんはミリタリズム(軍事色)を前面に打ち出し、陸軍や海兵隊をイメージさせる、陸戦モノを得意とするという違いがあります。

 むしろ、そうした汗と泥と血にまみれ硝煙の匂いが漂う作品こそ、高橋さんの真骨頂といえるのでしょう。実際、そのような世界観を反映したかのように、高橋作品に登場するロボットは、『太陽の牙ダグラム』の「コンバット・アーマー」にしても、『装甲騎兵ボトムズ』の「アーマード・トルーパー」にしても、実在する戦車や軍用車両を思わせるボルト&ナットを多用した、リアリティあるメカニズムが特徴です。

 高橋作品の特徴ともいえる、これら要素が生まれた背景には、多分に高橋監督が歩んできた人生観や、演出家になる前に経験した職歴が大きく影響していました。

【え、肩の色が赤い!?】これが東京に立つ実物大「スコープドッグ」です(写真)

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