国内最大手「真っ赤なヒゲ親父」のオートバイ販売店 米投資ファンド買収で今後の経営は大丈夫か?
2024年9月24日、米投資ファンドがバイク販売最大手「レッドバロン」の買収を発表しました。同社は今回の買収によって社風を大きく変えることになるのでしょうか。レッドバロンのこれまでを振り返るとともに今後を推察します。
バイク販売大手の「レッドバロン」が外資に買収される!?
米投資ファンドの「ベインキャピタル」は2024年9月24日、バイク販売最大手「レッドバロン」の買収を発表しました。
レッドバロンは沖縄県を除く46都道府県に306店舗、さらに海外に2店舗の計308店舗を展開する中古バイク販売における業界最大手です。これだけの店舗規模を誇るため、年間の販売台数は10万台以上を数え、オートバイ販売を中核にライダー向けのホテルやレストラン(多くは自社顧客の「レッドバロン会員」が対象)、専用クローズドコース、ライディングスクールなどの運営まで手掛けています。
頻繁にテレビCMを放映するなど宣伝広報にも力を入れていたため、バイクに乗らない人にも一定の知名度を誇っていました。そのため、よく知られた全国展開する中古バイク販売チェーンが突然、外資に買収されたとの報道に驚かれた人も多いのではないでしょうか。
今回は、そのようなレッドバロン・グループを改めて紹介するとともに、買収による影響なども考察します。
そもそもレッドバロンの前身となる「ヤマハオートセンター」が愛知県岡崎市に設立されたのは1972年1月のこと。当時はまだバイク販売チェーンなど存在しない時代です。
当時のバイク屋といえば、家族経営の零細企業しかなく、販売される中古車は下取り車がほとんどで在庫数は数台から多くても10台程度。アフターサービスは購入店任せが一般的で、故障時の販売店による車両の引き取りも店から近い場所に限られていました。そんな時代にあって「ヤマハオートセンター」は、前例のない敷地面積1000坪に工場付きの大型店をオープンさせます。
その後、間もなくオープンした2号店は同じく大型店であり、1号店から遠く離れた大阪府箕面市という立地でした。これは「顧客第一主義」を掲げる創業者の故・杉浦 齊(すぎうら ひとし)さんが、開業当初から全国規模のロードサービス構想を念頭に置いていたからです。
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