唯一の現役車が引退間近 その理由は「路線延伸」? 全国どこでも見られた「キハ20系」最期のとき

キハ20系は国鉄の代表的な一般形気動車で、全国で見られましたが、いま現役なのは、ひたちなか海浜鉄道湊線のキハ205のみ。引退のときが近づいていますが、それにはポジティブな理由もありました。

全国を渡り歩いてきたキハ205

 湊線のキハ205は1996(平成8)年に、岡山県倉敷市の水島臨海鉄道から譲渡されてきましたが、出自をたどると1965(昭和40)年帝国車両製のキハ20 522で、室内灯を白熱灯からトランジスタ蛍光灯にした最終増備の500番台です。522はラストナンバー車であり、落成後に小牛田(宮城県美里町)へ配置され、1989(平成元)年の最終配置はJR西日本の姫路運転区。その後、水島臨海鉄道へ譲渡されてキハ210となり、湊線の前身である茨城交通が購入しました。

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茨城交通の時代はキハ20系が主流であった。キハ222は羽幌炭礦鉄道が廃止になって譲渡され、ワイパーは耐雪用の旋回窓が特徴。現在は阿字ヶ浦駅の鉄道神社御神体となった。勝田駅にて(1994年3月、吉永陽一撮影)。

 この譲渡はラストナンバー車だから選ばれたのでしょうか。その経緯をひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長へ伺うと、譲渡購入は茨城交通の時代だから詳細は分からないと前置きしたうえで、

「キハ20系統は頑丈で長持ちすること、茨城交通ではキハ20系統に車種を統一することから、コストを抑えつつ車両の置き換えを実施したのだと思います」

 と、思い出すように語ってくださいました。

 1996年当時、茨城交通の旧型車は、キハ17系キハ11形が3両在籍しました。そのほかはキハ20形が主流でしたが、元・留萌鉄道のキハ2004と2005、元・羽幌炭礦鉄道のキハ221~223、元・国鉄から鹿島臨海鉄道を経たキハ201~204と私鉄からの譲渡車で、キハ20形とはいえ自社発注や前照灯改造など、ひと癖ある個性車が活躍していたのです。

 出自はバラバラでも機関部などは同一のため、メンテナンスコストは抑えられ、そこにキハ205が入線したのです。ラストナンバー車は偶然の巡り合わせでした。

 キハ205は白地に青と赤線の茨城交通カラーを纏いましたが、ワンマン化改造のあと国鉄気動車標準色に塗り替えられました。茨城交通鉄道部職員の発案で、キハ205を含み何両か国鉄色に塗り替えられたのです。国鉄色は湊線となってからも継承されました。

譲渡され間もないキハ20系 今も残る「JNR」マーク(写真)

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