“絶滅”間近の国鉄型 201系電車は何がすごかったのか 登場45年、関西で最後のとき

1979年に試作車が登場し、計1018両が製造された通勤形電車201系は、国鉄として初めて「省エネ電車」をうたった車両です。2024年中の引退もささやかれるベテラン電車のこれまでと現在を紹介します。

省エネに寄与した201系

 登場から45年。そろそろ引退もささやかれる国鉄型201系電車は、JR西日本にわずかに残るのみです。そのようなベテラン電車の経歴と、かつては1000両あまりが在籍した同車両がなぜJR西日本で残っているのか、振り返ってみます。

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JR大和路線の201系電車(安藤昌季撮影)。

 201系は省エネを前面に押し出した車両で、運行初日の出発式は「新型省エネルギー電車(201系)運転記念」として「省エネ201」のヘッドマークが付けられたほどでした。

 では、どう省エネなのか――それは制御装置に、チョッパ制御を採用したことでした。これは半導体を用いたものですが、列車の消費電力を力行(加速)時と制動(ブレーキ)時で相殺する回生ブレーキを実現でき、消費電力を減らせます。

 回生ブレーキとは、車輪の軸回転を発電機と考え、その運動エネルギーで発電して・消費して作動させる電気ブレーキのこと。チョッパ制御と組み合わせると、高速域から低速域まで安定して動作し、特に頻繁に制動する通勤形電車では、回生ブレーキの省電力効果が期待できると考えられたのです。

 加えて発電ブレーキ用の抵抗器も不要となるため、車両を軽量化できるメリットもありました。さらに1973(昭和48)年のオイルショックは、省エネ車両開発の追い風となりました。こうして実現したのが201系で、デビューは1979(昭和54)年のことです。

【写真】若い人は知らない? 中央快速線・総武緩行線の201系

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