台湾イチ長いトンネルを抜けた村でなぜか「日本語がよく通じた」のですが… 地域の伝説「もう一回さん」
台北の南東部にあたる宜蘭県の山間部は、日本統治時代の遺構などが数多く残る、日本とゆかり深いエリアなのです。そこでたまたま立ち寄った教会で、流暢な日本語を話す一人の少女に出会いました。
女の子に「トイレ貸して」返ってきた言葉は
台湾・台北の南東部にあたる宜蘭県は、観光地の礁渓温泉や、巨大夜市で知られる羅東などがある県で、週末ともなれば台北からの日帰り旅行客で賑わいます。このエリアは台北からクルマで約1時間半、距離にして約70kmほどです。
同地にこれだけ短時間でアクセスできる理由は、主に雪山隊道という約13kmの台湾いち長いトンネルのおかげ。直線が続くため睡魔が襲うトンネルですが、その先に見えてくる宜蘭県の太平洋の景色は感慨深いものがあります。
さらに南下し羅東の中心部から西のほうに進むと景色がまるで変わり、のどかな農村が出現。やがて、台湾原住民・タイヤル族が暮らす山間部に入ります。界隈にはだんだん人影も商店もなくなり、川と山間部の景色が続きます。
あるとき、筆者はこのエリアの寒渓村を運転中に用を足したくなりました。しかし、付近には商店などがありません。できればどこかでトイレを借りたいと思い、ようやく見つけたのがとあるキリスト教の教会でした。
教会に立ち寄ると、中学生くらいの女の子が教会の片隅で勉強をしていました。ここで筆者はつたない中国語で「トイレを貸してほしい」旨を伝えたところ、女の子は「あなた日本人ですか。トイレ良いですよ。向こうです」と言います。瞬時に「ありがとうございます」と普通に日本語で返しましたが、女の子が日本語を喋ったことを不思議に思いました。
台湾には、流暢な日本語を話す人が一定数います。日本統治時代生まれの方、そして後に生まれながらも日本語を学び独自に習得した若い世代まで。しかし、この女の子はまだ若く、どうして流暢な日本語を話すのかが筆者には謎でした。
女の子にお礼を言いながら「どうして綺麗な日本語を喋れるのか」を日本語で尋ねました。すると女の子は「私は親から教わりました」と言い、さらには「ここではたくさんの人が日本語を喋りますよ」とも言います。
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