台湾イチ長いトンネルを抜けた村でなぜか「日本語がよく通じた」のですが… 地域の伝説「もう一回さん」

台北の南東部にあたる宜蘭県の山間部は、日本統治時代の遺構などが数多く残る、日本とゆかり深いエリアなのです。そこでたまたま立ち寄った教会で、流暢な日本語を話す一人の少女に出会いました。

日本語が異部族間の共通語に

 何か釈然としないまま教会を後にしましたが、後でよく調べると、特に台湾東部から中央山脈にかけての山深いエリアでは今も日本語が残り、さらには「Yシャツ」「布団」「寝巻き」「野菜」「コップ」「話」「アンタ」「男」「女」「ある」「ない」といった日本語の単語が、そのまま現地語になっている例があることを知りました。

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台湾イチ長い約13kmほどのトンネル、雪山隊道(2011年、松田義人撮影)。

 主に台湾の険しい山間部には複数の台湾原住民が存在します。部族ごとに違う言語を使っていますが、異部族間でコミュニケーションをとる場合の共通語(クレオール)として、公用語の中国語のほかに、日本統治終了後も日本語が使われてきた経緯があり、それで今日もなお、台湾原住民の間で「日本語を喋る人」がいるのだと言います。

 そして、特に「日本語が混じる言葉を使う人が多い」と言われるのが、他でもないこの宜蘭県の山間部。この地で話される言葉は近年「宜蘭クレオール」と称されるようにもなりました。

 もう一つ、この寒渓村に隣接する冬山郷という村では「もう一回」という日本語が、地元の人たちの多くに知られています。

 これは日本統治時代、この地に警官として就任した小林三武郎巡査の伝説によるもの。小林巡査は、地元で採れるヒノキや樟脳の材料となるクスノキの違法伐採を取り締まる役職に就く一方、「村人たちの暮らしが豊かになるように」と、積極的にニワトリ、ブタ、トリなどの家畜の種付けを支援したそう。ときには役所からルールを破って家畜を持ち出し、村の農民に貸して種付けを促したと言います。

 村人たちが度々種付けに失敗しても、小林巡査は優しく接し「もう一回! もう一回!」と成功を促し続け、やがて村人たちに慕われるようになりました。そして、こんな小林巡査に親しみを込めて付けたあだ名は「もう一回さん」。この由来から地元では「もう一回」という言葉がよく知られているというわけです。

【誰…?】これが神になった日本人「もう一回さん」です(写真)

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